歌う時、口腔内に力を入れて声を支えようとする人がいます。
「い」母音「え」母音が特に多いようです。
「い」と「え」はただでさえ狭い母音なので、
力を入れると空間がもっと小さくなり声は響かず、
呼吸も止まるのでこもった声になってしまいます。
音程も下がります。
歌を階名で歌っている時、「シ」「レ」「ミ」が苦手の人多いんじゃないかな
女性にとって丁度チェンジボイスの辺りでもあるから尚更ですよね
そもそも「声の響き」って何かというと
「共鳴」の事なんです。
声は声帯で作られますが、声帯が振動して作られる声は「喉頭原音」と言い、
無機的で決して美しい音ではありません。
では、どうしたら美しい響きの声になるかと言うと、
体の中に開いている「穴」全てです。
穴・・・・
そう、穴です。
特に胸部、頸部、頭部の中の穴。
鼻腔、口腔、気管、言っちゃえば耳の穴も毛穴も全部そう
脳の中にも若干の空間があるらしく、そこさえも共鳴腔とであると
ある音声学の先生はおっしゃいます。
音が響くためには壁に囲まれた空間が必要で、
空間は広ければ広いほど響きも広がるのね。
海外のオペラハウスに行くと、5階席、6階席とかあるでしょう
天井桟敷のチケットも売れますよね。
日本なら上野の文化会館かな
音は上に上がって行く性質を持っているので、
ちゃんと響いている声は天井桟敷の人々にも届くというわけです。
各劇場によって響き=共鳴に違いがあって、
構造であったり、材質であったり、設計によって違います。
それを「残響」と言います。
それなのに、口腔を固くしたり、噛みしめたりしたらどうなるかしら
響かないし、呼吸は流れないし、音質は固くなるし音程は下がる・・・これ明白。
だからどうしても狭い母音の「い」「え」は、
口の形と響かせるための技術が必要です。
それからね、音を喉で支えちゃ駄目よ
喉は声帯を振動させ、空間で響かせ、呼吸を流すところ。
支えようとすると息が止まる。
息が止まったら声は出ません。
歌っている時、喋っている時、人は息を吸うか吐くのみ。
当たり前なんだけど、歌おうとすると力んじゃって、
知らぬ間に息を止めている人が意外に多いのね
気をつけてね~