その際、比較的見落とされがちなのが「口の開け方」です。
「もっと大きい声を出して
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「もっと口を大きく開けて
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と言う指導は、ともすると危険を生じることがあります。
正しい体の使い方や、声を出すときに重要な「支え」を知らずに大きい声を出そうとすると、
生徒たちは必ずと言っていいくらい顎か首を前面に突き出してしまいます。
そうすると、上半身も前傾姿勢になり横隔膜は正しい動きができなくなり、
当然、共鳴腔も狭くなり声は響かなくなるので、尚、大きい声を出そうとします。
そうなると、歌ったあとに声が嗄れたり、喉が痛くなったり、咳き込んだりしてしまいます。
そしてどんどん悪循環に陥ってしまうのです。
特に顎を前にスライドしながら下ろす、所謂「受け口」の様に口を開けるのは最もいけません
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人間の顎の関節は耳の前にあり、頭蓋骨のまあるいくぼみの中に収まっています。
変な口の開け方を日常から行ったり、無理やり大きい口を開けようとすると「顎関節症」になってしまうこともありますよ
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昔、ある小学4年生の女の子が私の元に歌を習いに来ました。
とっても小さくてニコニコして可愛らしい女の子でした
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「じゃあ、ちょっと声をだしてみようか
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まるで顔が長方形になったかと思うくらい、物凄い力で顎を真下に下げたのです
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あんな可愛かった顔が、恐ろしい顔に変わってしまいました(((゜д゜;)))
「ど、どうしたの
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どこかのミュージカルクラブみたいな所に入っていて、そこの先生が、
「顎が床に着くくらい開けなさい
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その子は日々真面目にそれを実行し、顎が段々床に着くよう努力していたのでした(>_<)
怖いです
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育ち盛りの小さな女の子にそんなことやらせていたら、
顔がそういう風に変形していってしまいます。
そして同時に口の開け方は、当然、声の張り感や響き、伸びやかさ、
そして発音の明瞭性にも大きく深く関わっています。
歌うときに割と無頓着になりがちな「口の開け方」ですが、
とてもとても大切だということを指導者も生徒たちも、
そして特に幼い子供に歌を習わせたり、
ミュージカルをやらせようとしているご父兄の方々は知るべきなのです。