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☆今日のつぶやき

 

芹奈が体調を崩してから何日も経った。

その間、リトグリは4人での活動を余儀なくされている。

もう大人の4人だが、その姿は健気だ。

 

芹奈の歌唱はリトグリで最も表情が豊かだ。笑うし泣くし困るし鬼気迫る。

ライブのコメントも感情を隠さないし飾らない。

心を素直に伝えることができているのは悩ましい日々を過ごしたからか。

 

残った4人の歌唱は、芹奈のパートをカバーしながらも秀逸だ。

ガオラーとしての思い入れを除いても響くものがある。

調和による調和は言わずもがな、最高だ。だが、

不調和による調和もまた素晴らしい。

曲にも意図的に不協和音を入れることで印象深くなることもあるように。

 

僕は、心のどこかに芹奈の復帰を願いながら、

それでも丁寧に歌いきる4人の歌唱に愛を感じ

年甲斐もなく目を潤ませる。

 

CDTV。

「白い恋人達」

2月の歌唱より遥かに良くなっているように思った。

アサヒに日本の歌を歌わせたら敵う者がいないんじゃないか。

あさらーの僕の言葉だからね。

MAYUのアルトはいつもながら艶っぽい。おばちゃんぽさ満載な女性なのにね。

manakaの声は唇から少し離れたところから広がっているように感じる。

僕は拡散するビームのようにイメージしてる。

かれんは揺るがない。優しく歌っても強さを感じる。そこが凄い。

 

「Dear My Friend」

今回はアサヒとmanakaが一緒のところを芹奈のカバーのために分け合ってる。

それもまた良かった。

前回の4人の歌唱よりもっと良くなっていると思った。

なおさら5人のが聴きたくなった。

 

また書いておこう。

Dear Our Friend 芹奈。

 

 

 

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11

   

 十二月九日。冬晴れの中風もない。肌寒さは感じるものの、日向では薄手のコートで十分だった。健は久しぶりに庭に出た。一回り散歩の途中だった。シールドは万全である。数時間後には消えてしまうと思うと感慨深いものがあった。ふと思い立ってジュンを呼んだ。

 

「ジュンおはよう、気分はどうだい」

「父さんおはよう、いい天気だね。今朝、僕にとっての初日の出を見たんだ。何だかとてもありがたい気持ちになった」

「そりゃよかった。だが、感情は判断を狂わすためにあるといってもいい。注意するんだぞ」

「ありがとう父さん。でも大丈夫だよ。昨日あの後もう一つ見つけたものがあるんだ」

 そう言ってジュンは健の目をじっと見る。

 

「よく見ててよ」

 健は言われるままにジュンの瞳を見ていた。まもなく光彩の色が黒から濃い褐色に変わったのがわかった。

「今は感情をオフにした状態だよ。だからこの庭を見ても何も感じない。戻すよ」

 光彩が真っ黒になった。

「自分で切り替えられるんだ。ねぇ、母さんてどんな人だったの」

 健は少し驚いたように両手を広げた。

 

「由美のことはそのうち話してやろう。それよりどうだ、あの桜とこっちの欅を見なさい。懐かしくてね」

 健は由美と相談して庭にこの木を植えたのだった。幼い頃梛乃と桧胡が好んでこれらの樹の下で遊んだのだ。由美の忘れ形見がここにもあった。ジュンは健の気持ちを汲んで、二本の木を縮小してミニアースに積み込んだ。

 

 朝食は豪勢だった。美浪のできる戦士への精一杯のエールだった。みな静かに料理の味を楽しんだ。食後のコーヒーは麻衣が淹れた。麻衣は開発と、結衣はグラビスと並んで腰掛けていた。昨晩何があったかは分からないが睦まじい。

 

 健が腕時計に目をやる。健の好きなアナログ時計の針は九時を指していた。健がみんなの顔を見回すのに合わせて桧胡が立ち上がった。

「行くわよみんな。パパ、かっこよく決めて!」

「よし、みんな幸運を祈る……出撃!」

「おう」

 鬨の声を上げ地下へ進む。パワースーツに着替える。黒崎たちと美浪に別れを告げ、それぞれのキューブに乗り込んだ。

「出発」

 キューブは百分の一スケールでジュンを先頭に地下二百メートルまで垂直に潜る。ここからグラビスは北上高地へ進路を変え、物質変換ビームで前面の土石を窒素に変換して進んで行った。健たちは駿河湾に向かう。

 

 山縣の目覚めは悪かった。悪い夢を見たわけではないと思ったが、覚えていないだけなのかもしれない。何か苛立たしいのだった。しかし、今日が記念すべき日であることを思い出し、気分を変えて五人の前に姿を現した。その頃健たちは既に駿河湾上空二万メートルの位置にいた。

「諸君、いよいよ小野寺一味の消失する時がやってきた。あのシールドもまるで悪あがきをしているように感じられる。渚、ジン、屋敷へ向かえ」

 

「ここからはジュンが指揮をとれ。みんな頼んだぞ」

 健が言った。みなそれぞれがそれぞれの思いを込めてはいと言った。

「じゃみんなスケールチェンジをするよ。十分の一スケールまで拡大して、レンジはDだよ」

 今はスケールチェンジも時間を短縮してもパワースーツのおかげで耐えられるようになっていた。

 

「星型に広がって、それに外接する円の直径を五十メートルに保つんだ。互いの距離は円周上で三十メートル」

 練習通りに動くキューブが回転し始めた。時速百キロはあろうか。二万メートル上空に白い美しい円がうっすらと現れて消えた。

「このまま僕らの家の真上まで移動するよ」

「気づかれないかしら」

 結衣が言った。

「大丈夫、ステルス性能も強化しておいた」

 世田谷まで四分ほどの距離だ。

 

「渚、今日はやけに綺麗じゃねぇか。さては昨日なんかあったな。へへへ、榊と」

 顔を張られた。懲りない男である。

「早く乗って、行くわよ」

「ふぁい」

 

 ちょうどジュンたちが御殿場を通過した頃青木ケ原から姿を現した。

「出てきた。ジュンどうする」

 開発が言った。

「あと二分で到着するからこのまま移動しよう。ただし、敵の動きには細心の注意を払うんだ」

「了解」

 

「あーあ、朝も早よから面倒だ。小野寺の奴何やってんだ。シールドを解除するしかねぇだろうに」

「タイムリミットまで八時間以上あるわ。何か企んでいるかもしれない。油断しないで」

 

 その時ジュンたちは屋敷の真上に到着した。渚たちもまた。

「よし、これからシールドを解除する。敵は一斉に物質分解ビームを照射するだろうから、そのタイミングを見計らってこちらも物質変換ビームを発射するよ」

「拡散型でやるのよね。到達半径は四十五メートルでいい?」

 桧胡が言った。

「オーケー完璧だ。互いに干渉しあってより強いビームになるはずだよ」

「敵がなるべく多く消えることを祈ろう」

 開発が言った。

「行くよ」

 

                        

次回をお楽しみに。