真実を見る目
本質の自分 翌朝も望月は5時前には来ていた。「おはよう。今日もよろしく頼むよ。」「おはようございます。先輩、今日からは読経の前に五分間ほど瞑想をすることから始めましょう。」「いいよ。それでは瞑想の仕方を教えてくれるかね。」「難しいことは何もありません。ただ、自分の呼吸を意識してください。吸っている息。吐いている息 を感じながら静かに瞑想する。ただそれだけです。」「そうか?難しいことではなかったね?」5分間の瞑想を終え、拓海の先導で読経を終わり、昨日同様の対座の形をとった。「先輩、先ずは昨日のポイントをおさらいしておきたいと思います。どのようなことだったか、かいつまんでおさらいしてください。」「そうだね。まず般若心経は、よりよい人生を構築するための知恵の教えであり、五蘊皆空を理解することでその答えが得ることが出来る。次に、人間の生きてる世界は現象の世界と本質の世界があり、現象の世界は縁による作用が働き、本質の世界には波動の法則が働いており、波動は五蘊によって感じ取られ、現象は五蘊によって形成される。と言ったようなところかな?」「先輩凄いですね?そこまで、理解を深めているとは驚きです。」「では次に進んでいきます。観自在菩薩が、舎利子に向かって現象の世界と本質の世界は別物ではなく同じものなんだと説いていく下りです。四つの中の二番目ですが、本質の世界は空であり、境目のない一体となった世界であることを示しています。そこには、現象は存在せず、目に見える形も、形のない意識の世界もないことを幾つもの事例で解説しています。しかし、ここに説かれている 空の世界 は、何もないという意味ではなく現象を生み出す根源の世界であることを示しています。数字で言えば、 0 です。0は縁によってプラス方向にも増えていきますし、マイナス方向にも増えていきます。現象を生み出す根源の世界と言う事は五蘊に何らかの影響を及ぼす何かが存在し、五蘊はそれを感じ取り、現象を作り出していることになります。その何らかの影響媒体が、波動なのです。昨日話したように、波動は、形あるものも、形ないものもそれぞれ固有の波動を持ち、宇宙空間を飛び交っています。人間の場合、脳の松果体と言うところで、宇宙の波動を受信しています。その数はおびただしい数で、全部を受け入れ記憶していると脳はパンクしています。そこで、自分にとって必要ないものはどんどん捨て去っているのです。松果体で受け取った情報から、既に存在する潜在意識の中に格納されている情報との関連性を連結させ、前頭葉で閃きが起こっているのです。その閃きを、松果体とか側坐核とかが働いて現実化していくのですがそのことは別の機会にお話しします。なりたい自分になる 「先輩。ここでちょっと休み、お茶を飲みませんか?後の話はお茶を飲みながら進めていきましょう。」「拓海君、驚いたよ。ただ、お父さんの後姿を見て習い覚えただけかと思っていたけどここまで深く掘り下げて理解しているなんて考えられなかったよ。君の話を聞くうちに、般若心経のすごさをひしひしと感じるよ。」「ありがとうございます。でも般若心経のすごさは、四つの区切りの四番目にあるんです。この四番目を少しだけお話ししておきたいと思います。」「この四番目は、般若心経は 呪 であると宣言している部分なんですが呪 とは真言の事なんです。つまり仏の真実の言葉といった意味になります。そしてその真言とは羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶の部分なのです。その意味は、学びなさい、修めなさい、そしてその知識スキルを世のため人のために生かしなさいそして仲間を増やし、さらに発展させなさい。そうすれば、すべては望み通りとなります。つまり、愛と調和を求めた仏の言葉なのです。なぜ、この真言を唱えることで望みが叶うのかと言うと愛と調和を求めて唱え続ければ、人間の意識はいつの間にか宇宙意識に変容します。その変容した宇宙意識が、五蘊に働きかけ、五蘊は、愛と調和に満たされた現象を顕現します。その結果プラスの方向にすべての出来事が進んでいくのです。大切なことは、この 愛と調和 の基本原則をしっかり維持することなのです。呪 を唱え続けると言う事は、基本原則の維持に重要な働きをしているのです。これさえできれば、人間誰でも、自分のなりたい自分になれることになります。詳しいことは、この部分の解説の時に改めてご説明します。」「そうか?病気回復で、なりたい自分を明確にイメージすると言う事はそう言う事だったんだね?」「その通りです。しかし、愛と調和を根底に存在する内容でないといけませんが?そのことも含め、この部分の説明の時詳しくお話しします。」「さあ、朝食を済ませ畑に行きますか?」「そうだね?、今日は家で漬けた漬け物を持ってきたよ。一緒に食べよう。」