友人が走って連れて行ってくれたのは
グラウンドでした。

陸上のトラックがあるほうのグラウンドです。
 
 
彼は体育祭の時とは違ってゆっくり
トラックを走っていました。
 
何周も何周も
 
飽きずに見ている私に
 
友人達は呆れた視線を投げかけます。
 

ここにくればいつも会える。
 
私はその発見が嬉しくてたまりませんでした。 
 
たった一日で世界が変わってしまったかと思うくらい

 全てが光っているように感じたのです。
 
 
 

「憧れの人にでもあったのかな〜?」

という友人の一言で

私は耳まで真っ赤になってしまいました。
 
わかりやす過ぎる。
 
「誰?」「クラスは?」「部活は?」と質問ぜめにあいました。
 
そこで

私が知ってることだけボソボソ伝えると 

友人の一人が
 
「それは、〜だわ。」とあっという間に私の知りたかった名前を教えてくれて
 
「今から見に行こう!」と手を取って走り出したのです。
 
私は
 
嬉しくて嬉しくて

手を引く友達を追い抜きそうなスピードで走ったのでした。
 

 

 

 
 

教室に戻ってしばらくたっても

初めて言葉を交わした興奮はおさまらず
 
胸はドキドキしていました。
 
近くで見ても彼はとても素敵でした。
  
切れ長の目と鼻筋の通った高い鼻
薄い唇と白い歯が印象的でした。
 
 
背が高く 
 
腕まくりした腕も手首も指先も

なにもかもかっこよくて

わたしは放心していたのだと思います。 
 
 
そんな私に仲の良い友達はきっと呆れていたと思います。 
 
あの時の友達は
今は元気なのでしょうか?
 
ふと
話してみたくなりました。