星がこんなに

近くに見える

あの夜二人で見上げた星と

変わらないのに

あの夜二人は

本当に星を見たのかな

記憶は儚くて

遠い日の出来事のように

時間は止まってしまってる


風が

あの人の傍に

寄り添う人がいるみたいと

私の耳元で囁く

ずっと幸せは願っていたから

良かったねと呟くけれど

胸が

なんだかこんなに痛い


儚く壊れた記憶が

元に戻るように

組み立てられて

あの夜が甦る


冷たい風の吹いた夜

あなたのコートの

ポケットに入れた

互いの手を握りしめて

白い息を吐きながら

美しい星を見上げたこと

それはまるで

セピアカラーの動画のように

目の前に映し出され


風は囁く

幸せみたいだよって

その瞬間記憶は

エンディングロールのように

ひとつずつ終わっていく


きっとこれは

ハッピーエンド

幸せ願ったハッピーエンド