熊本市現代美術館の村上隆展。一美術ファンとして、私自身の備忘録【introduction】 | フードアナリストyume-no-hana-saku123のブログ

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時に、そんな時間さえままならない試煉を与えられる。そんな時に口にしたひと口の食べ物に「生」への糧を感じる。

熊本市現代美術館で開催中の村上隆展が、全作品の撮影がOKとなりました。
一美術ファンとして、私自身の備忘録として写真と共に取りまとめました。【introduction】

作品数が多いので、途中にコーヒーブレイクを挟みながらゆっくり🐌💨💨と。

イルミネーションを頭上に感じながら展覧会会場に入るとすぐに、右壁面にある「三島由紀夫」と書かれたキャプションに目がいく。


撮影したカメラマンは、山口百恵さんをはじめ多くの有名人、芸能人の方を撮影されており、熊本市現代美術館でも展覧会が開催された篠山紀信氏。
もともとアーテイストである横尾忠則氏と、彼にとってのアイドル的な人々との2ショットによる写真集として構想された写真集『記憶の遠近術』によるものであり、1968年、三島由紀夫との写真から撮影が開始されました。
撮影の多くはスタジオ撮影であり、相手のキャラクターにあわせて横尾がコスプレするなどの演出が施されました。
横尾氏と横尾氏が憧れていた作家の三島由紀夫氏とは昭和40年代、横尾氏の著作の挿絵や装丁などを手掛けるなどにより、親交を深めていきました。
昭和45年に三島氏が自決する3日前にも、横尾氏は三島由紀夫氏と電話で長く話したとそうです。
後日談として、横尾氏は、三島由紀夫氏について以下のように語っています。
「三島さんに文学というより、行動する作家として興味を持ったんですよ。」
電話の最後、三島氏は、横尾氏に対して、「もっと君は強く生きなければならない」と何度も諭すように強調したそうです。
行動する作家である三島由紀夫氏は、アーティストとしての横尾氏を高く評価していたと言われています。
横尾氏も「たいていの人たちが、僕が土着的なものを描き、土着を肯定していると捉えるなか、三島さんにはズバリ見抜かれたわけです」と語っています。
空山基氏の《Sexy Robot_Walking》


を挟んで大伸ばしにされた舟に横たわる女性のモノクロの写真。
こちらもかつて熊本市現代美術館で展覧会を開催された写真家アラーキーこと荒木経惟氏の「センチメンタルな旅・冬の旅」


からの1枚。
右の壁面の立て膝の三島由紀夫氏からの≪Sexy Robot_Walking》からのアラーキーのこの写真。
作品とは、関係ないが、実際の行動は伴わないが、私は、この作品の連動性としての、立て膝→立ち上がる→倒れ込むという動きを感じる。
荒木氏は、電通勤務時代に知り合った妻、陽子さんと1971年に結婚している。そして、結婚式と4泊5日の新婚旅行をフィルムに収め、『センチメンタルな旅』という私家版写真集を出版している。
結婚式の写真の陽子さんの表情に見るものに様々な思いを抱かせる。その結婚式の写真から右に目をやると縦に3枚に並べられた写真。1番上は、若い日の陽子さん。そして、真ん中は、お友達だろうか、女性の横手楽しくダンスをする荒木ご夫妻の幸せそうに微笑む写真。そして、1番下は額に入れられた陽子さんの写真とお位牌。真ん中と1番下の写真には日付けの印字があるが、1番上の写真には日付けの印字がない。
もしかしたら、この幸せそうにダンスをしている時に、陽子さんの死期が近い事を知っていたのか。
そう思って見ると横で歌う女性の眼に悲しみを堪えているのでは?と思う。