このところ、人が人を理解するって、どういうことなんだろうかということをよくよく考えるのですが、その中でも、タイトルのような質問を受けると、ちょっとだけ苦笑してしまいます。
歴史は巡る、何度でも…、ではないですが、本当に、この手の質問、私がイベントの仕事を始めた時にも、よく聞かれたなぁと思います。
ブログにあまり書いたことはないのですが、今回、私の中での機が熟したかなということで、「はい、私、マインドトレーナー、やります!」と手を挙げたのですが(「普通にコーチでいいんじゃないの?」とも言われていますが、なぜか「私はコーチじゃない」という意見が多く…。「いや、私、普通に、人のゴールを達成するために、その人のサポートをするコーチだけど… (^^;; 」とムキになっていた時期もありますが、どうも、世間で言うコーチは、スポーツ系で刷り込まれたコーチのイメージが強く、ビジネスや人生においてもビシバシと人をしごくのがコーチというイメージが強く、私のキャラにハマっていないそうで…。そのため、考えあぐねた末、「マインドトレーナー」という言葉を使うことにしました。きっと、この肩書も、そのうち変わるんだろうなと思っていますが…)、「じゃあ、その前は、何をやっていたの?」と聞かれたら、「約25年強、イベント、特に国際イベントに携わる仕事をしていました」と答えます。
では、なぜ、冒頭で、この手の質問に対して「苦笑い」なのかと言うと、今では上記のように「国際イベントに関わる仕事をしています」ということで、私の仕事に関する説明は終わるのですが、以前は、まだインバウンドと呼ばれる海外から持ち込まれるイベントというものの認識が世間において少なく、私がどんな仕事をしているのか、誰にも分ってもらえないことが多かったのです。(これは家族も一緒です)
そのため、「どんなお仕事をしているのですか?」と聞かれた時には、結構、時間をかけて説明をしていたのですが、結局のところ、よくわかってもらえずに終わるということが多く、だからこそ、今、また、同じような質問をされたときに、「前にもこういうことあったなぁ。しかもやっぱり上手くわかってもらえないや」っていうことで、ちょっと苦笑いしてしまうということなのです。
で、話を戻すと、今でこそ、この国際イベント、いろいろな人がなんとなくイメージを持ち始めてくれているので、以前ほどの説明は必要なくなりましたが、逆に、海外ということが浸透するにつれ、国際イベントという響きに対するイメージがとても高くなり、人によっては、とてもすごいことをしているような人に見えるらしいのですが、正直、私の場合、留学経験はあるものの、英語力に関しては、帰国子女と比べたら、それはもう…、雲泥の差。
特に、英語がわからない部分を、高い共感性を使って補完してしまうところがあったため、英語をきちんと聞き取るということに関する能力が、なかなか育たず、今もって苦労しています。
そのため、イベント業界での駆け出しのころ、私自身、自分が英語で仕事をやっていくなんてことは、まったく考えたこともありませんでした。
そのため、私が最初に始めたのは、皆さん、あまり信じられないかもしれないですが、展示会やイベントなどのMC台本やVPと呼ばれる企業用プロモーションビデオの台本を書くという作家業でした。
(台本を書いていた頃の私…)
約25年前、時はITブーム。
まだ、インターネットはなかった頃です。
LANやWANといった、ケーブルでつながれている機材同士のみが、データのやり取りをすることがようやくできるようになったか、ならなかったかの頃です。(おそらく、若い人には想像できないと思いますが、200kのデータを電話回線につないで、1分近くかけて送っていた時代です。1Mなんて、途方もないデータ量でした。現在、段ボール箱と同じような大きさになったコンピュータが以前は、1台1トン×4台の連結で、ようやく処理ができるような世界でしたから)
新卒のとき、心理学でワープロや演算計算ができる電卓を扱っていたということだけで、システムに配置されたのですが(要は、フロッピーや、PCを立ち上げるためにコマンドを入力する必要があるということを知っていることだけで、当時は貴重でした)、そこで泣く泣く学んだデータベースに関するプログラミングなどの知識が、後々、フリーランスになったときに役立ち、独立をした後の私を食べさせてくれるスキルになるのですが、その時は、そんなことなど予想だにしていませんでした。
ただただ、毎日が辛く、「あ~、どうして、生理的受け付けられそうにもならないものを飲み込まなきゃいけないの~!」と、毎日がストレス。
5時ピタを実行し、スポーツクラブに行って、その日のストレスを発散しているような毎日でした。
とはいえ、この時のストレスの経験がなければ、その後の私における、「人にとって言葉とは何か」ということを理解するきっかけを得ることはなかったかもしれないと思うこともあります。
私自身、正直、コンピュータは大嫌いでした。
英語で言えば、hateの世界です。(注:日本語にない分類ですが、don't likeとhateでは、嫌いの度合いが全く異なります。これはdislikeも同じで、よっぽどのことがない限り、英語を母国語とする人たちは、hate、dislikeは使いません)
本当に、新入社員の時にシステム部に配属されたときは、眩暈がしたほどです。
だからこそ、だったのかもしれません。
食べていくために、仕方なく書き出したIT関係の台本でしたが、書く内容に関しては、「ステージを見た人が、自分と同じようなストレスを感じないようなものにしたい」と、IT企業の担当者の方から説明され、渡された資料を自分なりに理解した言葉でわかりやすく書き砕くということをしていきました。
今、振り返ると、その頃の展示会のMC台本は、コピーライトと専門用語の羅列(⇐言葉が辛辣ですみません… (^^;; )、で構成されているものばかりでした。
よくよく考えてみれば、それは仕方のないことで。
なぜなら、書いている作家さんたちににコンピュータの知識がないため、そういう書き方をするしかなかったからです。
偶然にも、私の場合、プロのSEの人たちのようなノウハウは持っていませんでしたが、それでも、他の作家さん達よりは、若干の知識を持っていたため、それが台本を書く上でのアドバンテージとなっていました。ですが、他の台本作家さんたちはIT以外の製品やその他のものに関しての台本を書くための知識は持っていましたが、急に現れたITに関しては、ほとんどが素人。(その頃の台本を書いていた人たちのほとんどが、現在、60オーバー。その中でPC、スマフォを使いこなせる人がほとんどいないことを考えると、それは推して知る容姿です)
そのため、書かれる台本は、内容よりも、いかにステージが格好良く見えるように仕上げられていたため、来場した人たちが必要な情報を得ることができない形のものになっていました。
結果、企業の担当者は大きなストレスを抱えていました。
なぜなら、今ではシステムの担当者はシステムに関する教育を受けた人が担当していることが多く、ITに関する知識を持っているので、専門用語が飛び交う説明でも問題ないのですが、その頃の担当者は、ある日、突然、総務部からシステム担当者にさせられたような人たちばかりで、知らない言語(日本語が、日本語に聞こえないというやつですね (^^;; )を、業務命令上、理解しなければならないという状況にあったため、来場者のほとんどが、来る前からiTに関する用語に対して大きなストレスを抱えて来場していたわけです。
このストレスは、正直、よく分かりました。
なぜなら、私自身、新入社員の時に、そのストレスを嫌というほど感じていたからです。
なので、台本を書く際に、可能な限り、これらの専門用語をわかりやすく説明をしながら、ナレーターさんがしゃべりやすいようにと考え、その頃、ほとんどの人がやっていなかった、専門用語の前または後ろに、その専門用語がどういう意味か、または何を指しているのかということを説明する言葉を挟み、かつ全体の内容そのものを平易に平易にしていくことにしたのです。
(この時の平易というのは、専門用語で表現されている内容を、ターゲット層の人たちが持ち合わせているであろう知識や情報のベースまでに持っていくという作業です)
例えば、「データマイニング」という言葉があります。
これは今風に言えば、巨大な情報の中から必要な情報をゲットするという意味なので、例えば、それに近しい言葉として、「ググる」という言葉を使って、その機能や意味を説明していくようにしてました。
もちろん、この2つの言葉を一緒に扱うことに異論を唱える人がいることは100も承知です。
ただ、人の何かを理解するという行為は、こういう小さなとっかかりから始まるおのだと私は考えているので、敢えて、ニアリー・イコール(neary equal)の世界を捕まえて、台本の中に落とし込んでいきました。なぜなら、私自身もそうですが、人って「あぁ、そういうことですね」というものがないと、なかなかものごとを飲み込むことができないからです(もちろん、そんなことすら関係ない頭のいい人たちはいますが…)
そのため、台本を書いているときは、常に、説明を受けたのち、これらをどうやって私が理解できる別の言葉に置き換えて表現するかということを考えていました。
そして、この訓練が、後に、面白いことに、英語で人とのコミュニケーションを取るときに役立つことになります。特に、異なる国の人たちと苦なくコミュニケーションを取ることができるスキルとして成立します。なぜなら、同じことを指しているのに、国が違えば、同じ英語でも、異なる単語が使われることに気付いたからです。
私も当初は、「なんだ、この人たち、英語も知らないの?」と思っていましたが、徐々に、「そうじゃない、日本の各地に方言があるように、英語にも方言があって当然。同じことを示すのに、別の言葉を使うことが、正しいとか、正しくないとか思っている私の方がおかしくない?」と思うほうになり…
結果、現場優先。
現場がスムーズにいくことの方が大切で、後はその言葉を私が理解して、現場にいる人たちが理解できる言葉にすればいいだけと思えるところまでになりました。(それが教科書や辞書に載っている訳と異なっていたとしても…)
また、それは同じ日本の中でも業界が変われば…というところで、再度、気が付かされることになります。
例えば、テレビ業界とイベント業界。
傍から見ると、あまり変わらないように思えるかもしれませんが、同じ「ディレクター」という言葉があったとして、この言葉に対する各業界の認識が異なるのです。
テレビ業界のイベントから離れて久しいので、具体的な違いについては、忘れてしまいましたが、初めてテレビ業界のイベントに携わったときは、この言葉の違いに戸惑いました。
慣れてからは、「あぁ、この意味ね」となりましたが、同じ日本語なのに、こんなに違うんだなぁとしみじみと思ったことがあります。
この辺りから、私における「言葉」に対する見方が変わったような気がします。
それまでの私にとっての「言葉」とは、自分を中心に回っているものであり、その回っている言葉を使って、いかに自分が考えていることや感じていることを相手に伝えるかということがメインでした。
ただ、これらの経験を重ねるごとに、こちらが相手に何かをつたえなければならないときは、相手が使っている言葉、そして、その言葉に相手が重ねている意味合いやイメージを、こちらが理解し、相手が持っている/使っている言葉のルールに従って、自分が使う言葉をセレクトしていくというスタンスが大切であり、そのほうが意思疎通において早いのだということを理解するようになりました。
とはいえ、これがなかなか難しいのです。
理由は簡単。
相手の言葉遣いに関するリサーチを行うにあたって、こちらから、この言葉はどんな風に反応するだろうと言葉を投げなければなりません。
ところが、その言葉が、相手の中にない言葉だとしたら、残念ながら、相手から引き出される言葉は、まったく見当違いの返事として返ってきます。
もちろん、そのことによって、「あぁ、この人の中には、この言葉に対する、こちらが持っているバックグラウンドはないな」と判断することはできるのですが、ただ、相手にとっては、私が発した言葉を自分が理解しうる領域に持っていき、私を理解しようとします。
そして、ここが人における難しさだと思うのですが、人は一度、自分でこの人はこういう人だと理解すると、その修正や書き換えを簡単にできないということです。
そして、更に人は、目の前の相手とのつながりを欲する生き物であるため、一度、自分が理解したと考えた時に、目の前にいる相手に対して、自分が理解した相手像を相手に話し始める、つまりアプローチするようになります。結果、言葉はきついのですが、理解の押し付け合いになってしまうのです。
ただ、ここで面白なと思うのは、世の中には、この理解の押し付けをされても、全然、平気な人と、そうでない人がいるということです。
この辺りは、また別の議論になると思うので、タイトルを変えて、また書いてみたいと思っているのですが、いずれにしろ、この「人が人を理解する」ということに関しては、傍から見ると、全く別のことを始めるかのように見える、私の今回のスタートアップも、根っこは同じなんだけどなと思っていたりするのです。
えっ、でも、ここ、ずっと、身体のことを追いかけてきてなかった?
確かに、それは正解!
きっかけは、目の前のクライアントに言葉でアプローチしても、全然、効果がないというところから、何か方法はないかと追いかけた先に、気功/ヒーリングというものがあり、しかもセルフがあるじゃないというところから、身体のことをかなり追いかけました。
人にとって身体って何だろうって…
そして、おそらく、今、ようやく、その先にある、次なるステージに移動できたのかな?と思えるところにまで来た感じがしています。
もちろん、必要に応じて、今後も身体へのアプローチというものは行っていきますが、それでも、私の軸足は、マインド、メンタル、そして、個々人が持っている感性/感受性といったことなんだなと回顧の意味含めて思います。(その写像としてのボディはもちろん、健在です)
まだまだ、先は長いですが、ようやくここまでたどり着けたのかなと、ふと思うこの頃です。
YoUMEメソッドとは、スピリチュアルカウンセリングでもない、整体、マッサージでもない、あなたと私(You & Me)が生み出すマインド・メンタル・ボディを統合させ、個人におけるパフォーマンス能力を向上させる独自のメソッドです。ビジネスで成功したい、アーティストとしてプロになりたい、スポーツ選手になりたいなどなど、それぞれの人が達成したいゴールをTICEコーチングや、認知科学をベースにした気功やヒーリング技術を使い、その人のゴール達成の邪魔になっているものを取り除き、その人本来のパフォーマンス能力を引き出し、自分らしい生き方ができるようにする手法です。(※整体・マッサージ、スポーツトレーニングではありません)
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