神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 人種問題(3-046)
報知新聞 1941.6.23-1941.6.29 (昭和16)

 

アメリカの地底政府 (1〜3)


与論が白聖館を支配し、与論が政治的権機力に先駆するとまでいわれた与論の国アメリカ—その民主主義の牙城アメリカが今や一億三千万国民の与論を、"頬かぶり"して参戦の無限軌道を猪突驀進しようとしている、国民がストップと手を挙げているのに運転手ルーズヴェルトは赤信号を無視して遮二無二参戦の交叉点を渡ろうとしているのだ、冷静な与論を踏みにじってまでアメリカは何故"参戦"の危い橋を渡ろうとするのか、アメリカの実思を歪め、アメリカの与論を去勢するものは誰か?この疑問符をあぶり出しにかけると『参戦を煽るものユダヤ地底政府』という文字が大きく浮び上って来る、ニューヨークがジューヨークと呼ばれ、ニューディールがジューディールと皮肉られ、ニュースペーパーがジュースペーパーといわれるくらいジュー即ちユダヤ勢力が浸潤し、ユダヤの資金力によって金しばりにされているアメリカである、米の参戦近しが喧伝される今、ここにアメリカの参戦をあおる"ユダヤ地底政府"を白日下に暴き、参戦の鐘は論がために鳴るかを解剖して見よう

(1) 黄金の力ぞ偉大 大統領選挙の裏を覗けばユダヤ財閥の大芝居


ナポレオン一世がかってユダヤの恐るべき悪について述べた言葉のなかにユダヤは地球上癩病よりも恐ろしく他民族の体に附着せる寄生虫である
という警句があるが、現代のアメリカはさしづめ政界といわず、財界といわず、言論、文化機関とあらゆるものをユダヤの寄生虫によってむしばまれた異常体質、異常国家である、下はギャングから上は大統領に至るまでユダヤの恩のかからないものはないといわれる位ユダヤ黄金力によってあやつられ、踊らされるドンキホーテ・アメリカ、その恐るべきユダヤ黄金王朝の威力を最も端的に示した卑近な例は昨秋の大統領選挙であった、ウイルキーか、ルーズヴェルトの三選かと世紀の話題を賑わした大統領選挙も、種を明かせばユダヤ地底政府が書御し—ユダヤ財閥が演出した国際的"からくり芝居"であったのだ
世界の金の三分の二以上を自己の懐におさめ、左団扇で凉しい顔をきめこんでいたユダヤ国際金融資本にとって今次大戦—ヒトラーの金本位打倒戦は恐るべき現状打破の□槌だ、ヒトラリズムを呪咀し、ナチスの覆滅を企図したユダヤは、アメリカの参戦によってドイツを叩きつぶし世界にみなぎる反ユダヤ思想を撲滅して国際金融資本を死守せんとした
しかし一億三千万のアメリカ国民を馬車馬のように参戦街道へ駆りたてることは容易な業ではないそこで書卸されたのが一九四〇年の大統領選挙戦の"からくり芝居"であった、ユダヤ財閥の秘蔵っ子ウイルキーをさくらにこれも同じくユダヤ黄金力で金縛りにしたルーズヴェルトを花形役者に仕立てて演じられた世紀の"八百長芝居"ウイルキーが当選してもル大統領が三選してもアメリカを参戦へ引きずって行くようにとの手形で、ユダヤ財閥から巨額の選挙運動費が両派にバラまかれたこと勿論である、しかしユダヤの支配力はあらかじめルーズヴェルトの確定票を握っていてル大統領の三選即参戦を目標に、ウイルキーは飽くまでさくら、道化役者として筋書を進行させていたのだ、なぜならウイルキーよりもルーズヴェルトの方が参戦の与論を引ずって行くのにたくましい追力を持っているからである
ユダヤ財閥の脚色、演出に成る"大統領選参戦劇"はこうして国際舞台に上演されたのである、しかしこれは楽屋裏のことであって、表面は巧妙にカムフラージュされ、ウイルキーとルーズヴェルトの鎬を削る舌戦、文書戦が展開されて行った
ルーズヴェルトが徹頭徹尾援英を強調したのに対しウイルキーは戦争の圏外に止まることが合衆国の義務であると高らかに呼号し米国民及び世界の眼を巧妙にまどわしつつさくらの役割を果した、その間にユダヤの掌握する新聞、ラジオ、映画は盛んに参戦熱をあおりつつルーズヴェルトの三選即参戦へと与論をマス・プロダクションしていたのである、当時の日本あたりでもウイルキーが当選すればアメリカの参戦を阻止することが出来るからとウイルキー優勢?ウイルキー危し!の外電に一喜一憂した人々も少くなかったようだが、これなど笑止の沙汰だ、選挙の結果は筋書通りル大統領の三選となってユダヤ財閥の威力を遺憾なく誇示して終幕となった
それから僅か数箇月後の本年一月世界のジャーナリズムを驚倒させる選挙後日談が突発した"ウイルキー仇敵ルーズヴェルトの親書を携えて英国に使す"というニュースである、選挙の際ルーズヴェルトの反対候補として文字通りの鎬を削ったウイルキーが、打倒ルーズヴェルトの舌の根もかわき切らない中に豹変も豹変政敵ルーズヴェルトの軍門に降って対英援助の使者としてロンドンに渡るというのであるから世界中がアッと驚いたのも無理はない、しかしこれもユダヤにとって見れば予定の筋書をプログラム通り取進めたのに過ぎないのであって、米国の識者は初めてウイルキーの正体を知り大統領選挙のからくりを看破したのであるが、時即に遅かったのである
ウイルキーの英国訪問の費用は全部ウォール街から支出されたというし、英国での談合もドイツが提唱する新しい経済理念に対する金本位ブロック死守の相談であると伝えられるのは、ユダヤに対する彼の忠実なご用振りを如実に物語っているではないか

(2) 買われる献□ 共にユダヤの□く 反猶の旋風に抗□の横顔


大統領候補ともあろうものがユダヤの走狗を務めるなんてそんな馬鹿気たことがあり得るものでない、とその信憑を疑う人があるならルーズヴェルトとウィルキーの経歴を洗って見るがいい、ウニンテル・ウィルキーはそもそもドイツ系市民である、彼の肉体にわれっきとしたゲルマン民族の血が流れている、しかし彼はウォール街の願問弁護士から身を起しユダヤ金融資本家の庇護を受けてコンモンウェルズ・エンド・サザーン電力会社の社長にまで栄達した、いわばユダヤ財閥の給費生として今日の地位を築いたのである
今度の戦争でもドイツ系市民として当然『欧洲問題不干渉』『参戦反対』を絶対主張すべき立場にありながら、大統領選挙戦に敗れるや仇敵ルーズヴェルトの使者としてイギリスに渡り対英援助の御用を務めているのである、それだけならまだしも、三月五日ロンドンから空路帰国に際し祖国ドイツに対して次の如きメッセージを発表、ナチドイツを非難しているのである
自分は純粋なドイツ人の後裔であり、ゲルマンの血に誇りを感じている、しかし余は侵略と暴君を嫌う、そしてこれは自分ばかりでなくドイツ人の後裔である余の同国人もまた自分の信ずるところに全く同感の意を表している、独系米国人はナチ政府の侵略と力による征服慾を嫌悪し、これを拒否するものであると祖国罵倒の飛箭を放っている、そして米国に帰るやルーズヴェルトと□を並べて援英を煽動し、米国の参戦を強調しているのである
果せるかなユダヤ地底政府はウイルキーのユダヤに対する熱情的な献身振りを多とし"ユダヤに対する功績顕著なり"としてユダヤ歴戦勇士団の本年度メダルを授与したとAP通信は報じている、ルースヴェルトに至ってはよりユダヤ的色彩が濃い、彼がかって一九三五年三月十四日のニューヨーク・タイムスが紙上に述べたところによると
遠き過去において余の先祖はユダヤ人であったらしい、ルーズヴェルト家について余の知っていることはただオランダから渡来したクラエス・マルテンゼン・ヴン・ローゼンヴェルトの後裔だということだけだ
と興味ある述懐をしている、またルーズヴェルト家の国籍に関して元ミシガン州知事チェイス・オズボーン氏が一九三四年の春、セントビータスバーグ・タイムズ紙の記者に語ったところによると
ルーズヴェルト家の先祖は一六〇二年にスペインから放遂されたロスカンボ家の後胤である
同家はスペインから放遂されてからドイツ、オランダその他諸国に身の安全を求めた、そして家名はローゼンバーグ、ローゼンボーム、ローゼンブラム、ローズヴェルト、ローザンサル等に変更されたのである、そして北部オランダにおけるローモンヴェルト家は結局ルーズヴェルトと呼ばれるようになったが、同時にその初代ルーズヴェルトはユダヤ教の信仰を捨ててキリスト教に転じた、それ以来ルーズヴエルト家は代々キリスト教徒である、ただ四代目のジャコブ・ルーズヴェルトという商店主だけはユダヤ教の信仰を守り通した、このユダヤ人の血統があるのでルーズヴェルト大統領の血液の中には安全を求める強烈な血液がある
とルーズヴェルトにユダヤの血が流れていることを立証している
—血は争えず
ル大統領の性格は多分にユダヤ的だといわれる、彼は伝統と因襲を極端に嫌悪する、これはユダヤの特徴である、伝統と因襲が重んじられる国ではユダヤの存立が許されないからである、ル大統領はまた言行不一致で自己の約束を平然破棄する、これもユダヤ人特有の性格である
—血は水よりも濃し
ル大統領は世界でも有数のユダヤ保護者である、彼の側近、いわゆるブレーン・トラストはほとんどユダヤの勢力で固めているといわれる位の親猶冢である、だから世界のユダヤ同族は彼をユダヤ民族のチャンピオンとして崇め新時代のモーゼと尊敬している、米国のユダヤ地底政府はル大統領のユダヤに対する抜群の功績に酬いるためゴットハイルメダルを授与したと一九三八年一月十四日付のアメリカン・ヘブリュー誌は伝えている、その表彰事由は
ル大統領は一九三七年ユダヤ人と米国人間の親善運動に多大の尽力をし顕著なるサーヴィスをなした、またル大統領が世界的の反猶運動に対し猛烈にして、明快な演説をシカゴ市において行った功労による
と記されてあるそうで、これによってもル大統領のユダヤに対する並々ならぬ献身振りが察知出来るのである
ユダヤ排□の本陣ドイツでは最近戦争をたきつけるユダヤ英米帝国主義者のことを"第六部隊"とやゆしているが、ユダヤの金権太夫に操られて米国の参戦を煽るル大統領などはさしづめ"第六部隊長"の名称を奉らるべきところであう、ル大統領ばかりでなく白聖館の主は初代大統領ワシントン以来ほとんど大部分がユダヤの支持者で、しかも揃ってユダヤの秘密結社フリーメーソンの結社員であるといわれる

(3) 重慶政府は"出張所" 戦火の挑発者秘密結社は躍る 笑止や蒋夫妻もその一員


先ず挙げただけでもジャクソン、ボルク、ブカナン、ジョンソン、ガーフィールド、マッキンレイ、セオドル・ルーズヴェルト、タフト、ジェファーソン、モンロー、ハーヂング、ウイルソンと十指にあまる大統領がフリーメーソンの結社員だといわれ、また結社員ならざるものは大統領となる資格がないとまでいわれている、現に反猶的な色彩をもっていたクーリッヂ大統領はその反猶的な言動が祟って怪死を遂げ、いまだにその死因は分らないが、おそらくユダヤの魔の手にかかったものと信じられている、一方第一次戦の大立物ウイルソン大統領はユダヤの伏魔殿ともいうべき国際連盟をつくったのを初めユダヤに貢献したお陰で、ブリンストン大学総長時代の彼の桃色事件はついに新聞種にならずに済んだといわれる、その闇取引の陰には米国軍需委員長で大戦中アメリカの経済界を掌握していたユダヤ人バーナード・バラックの奔走が大いに与かって力があったということで、これによっても歴代大統領の陰に糸を引くユダヤ地底政府の威力が思いやられる、白聖館現在の主ルーズヴェルト大統領も今から三十年前の一千九百十一年十一月二十八日にニューヨークのホーランド・ロッジ第八号結社でフリーメーソンに加盟し、その後一千九百二十九年にはアルバニーで同結社の第三十二級を授けられたということである(フリーメーソン結社の最上級は三十二級である)
またル大統領の愛息二人もつい最近フリーメーソン秘密結社に加盟したと伝えられている、ここでちょっとフリーメーソンについて簡単に説明して置こう、元来フリーメーソン結社は非ユダヤ人によって創設され発達したものであるが、ユダヤ民族特有の根強く巧妙な策動によって現在ではフリーメーソン結社の中心勢力は各国共ユダヤ人によって掌握され、ユダヤ人によって指導されている、そして最近ではほとんど彼等の世界革命即ちユダヤ王国建設のための陰謀機関となるに至った、フリーメーソン結社が表面掲げるモットーは人道主義、自由平等、博愛とひどくしかつめらしいものであるが、これは完全な羊頭狗肉であって、同結社の目的とするところは無神論的な世界共和国の建設にある
これはそのままユダヤ世界制覇の野望と一致する、ドイツ、イタリアではフリーメーソンはユダヤ地底政府の一翼を形成するものであると喝破してつとに結社を禁止、またポルトガル、スペイン、ルーマニア、ブルガリア、トルコ等の諸国でもこれに習っている、兔に角ユダヤとフリーメーソンとは楯の両面であってユダヤの陰謀とフリーメーソンの策謀とは常に影の形に添う如く連れ添うことを忘れてはならない
第一次世界大戦がユダヤ人によって計画され、ユダヤ人によって遂行されたことはあまりに有名であるが、その第一次大戦を点火した彼のサラエボの一青年こそは実にフリーメーソン結社員であった
それでは今次大戦にけるフリーメーソンの役割はどうか、世界をおおう硝煙と鉄火の陰に仕掛けられた時計爆弾、フリーメーソン結社の陰謀のあることを忘れてはならない、ここにおいてアメリカ参戦の性格が初めて明らかにされるのだ、試みに世界の地図を枢軸国と連合国の二色に分けて見るがよい、そしてアメリカの援助のもとに抗戦を続けるイギリスと、重慶政権の元首並に独裁者が誰であるかを想起して貰いたい
イギリス皇帝ジョージ六世陛下並に将介石こそはアメリカ大統領ルーズヴェルトと共に実にフリーメーソン結社員なのであるジョージ六世陛下は今から二十二年前の十二月三日にロンドンでフリーメーソンに加盟され、結社番号二千六百十三号を持っておられる、将介石に至っては宋子文、宋美齢などの宋家一門とともに挙げてフリーメーソンの有力なメンバーであり、ユダヤ財閥と結社して軍政権下の人民を絞り上げている
ユダヤ国際金融資本にとって重慶政権は彼等の支那出張所であり、将介石は実にジュー介石なのである、一昨年の夏イギリス皇帝がカナダ訪問のお席を以てワシントンに赴かれ、ルーズヴェルトと会見、また最近ルーズヴェルトの子息(前述の通りフリーメーソンに加盟している)が重慶を訪問して大歓迎を受けたことは何を物語るか、フリーメーソン結社には一旦結社に加盟した以上は結社員は互に兄弟の関係を結んで扶け合い、一方の兄弟から援助を乞われた場合は万難を排しても扶け合うという仁義がある
とするとル大統領とイギリス皇帝とは兄弟であり、ル大統領と将介石とも兄弟であり、またイギリス皇帝と将介石とも兄弟であるということになる、ル大統領が自国を民主主義国の兵器廠と化してまで狂人じみたイギリス援助、重慶政権援助に狂奔する無軌道的な行動の陰には、フリーメーソンの仁義がル大統領の心理に大きく影響していることを見逃してはならない、アメリカ参戦の鍵はここにもあることを忘れてはならない