勘違いしてました。

 

「推しメン」と言う言葉は女性が応援してるメンズ、つまり男性を指す言葉だと思っておりました。

 

が、本来は応援したい女性アイドルグループ(またはそのメンバーの一人)を指す言葉のようです。

 

今では範囲が広がって、「推し」の男女の垣根はなくなってきているようです。

なので、今回は清少納言がお気に入りの「推しメンズ」を取り上げたいと思います。

 

頭の弁・藤原行成は後日に残すとして、今回は藤原斉信クン。

藤原北家の貴公子です。

 

 

藤原斉信(ふじわら の ただのぶ)は、平安時代中期の公卿・歌人。
藤原北家、太政大臣・藤原為光の次男。

 

官位は正二位・大納言で四納言の一人と謳われました。


正暦5年(994年)斉信は蔵人頭(頭中将)となりますが、振る舞いが非常に高貴で、随身を召して使う様子はまるで近衛大将のようであったとされます。


斉信は蔵人頭としての役目もあって、清少納言が仕える中関白家出身の中宮・藤原定子のサロンに近しく出入りしていた様子がうかがえます。

この藤原斉信はとにかくファッションセンスがいい男で、色彩感覚がバツグンだったらしいのです。


枕草子 75段 

返る年の二月二十日余日

桜綾の直衣で、すごく華やかなのをお召しになり、透けて見える裏地の紅色の艶など、言うべき言葉もないほど清らかで美しい。
 

下は、赤紫の色濃い指貫。
そこには藤の折枝の模様を豪華に織り散らしてある。
 

出衣の紅の色や光沢なども輝くばかり。
下襲の白いのや薄紫色のなんかがたくさん重なって後に長くなびいている。


とまあ、藤原斉信を見つめる清少納言は、まるでBTSを見つめて溜息をついているお姉様方のような反応を見せています。
 

更に彼は、立ち居振る舞いも上品で、尚且つ、いい匂いのする男だったようです。


枕草子 第190段
心にくきもの

宮中のお部屋の小戸にかかってる簾に斉信中将さまが寄りかかって座っていらっしゃった時の香りといったら、ホントにほれぼれしちゃったわ。


どんな配合のお香か一発で分からないような芳香!。


翌日まで、彼の残り香が簾に染み込んで匂いたってくるのを、若い人などキャーキャ

ー騒いでいるのも、無理ないわね。


上から下までワークマンスタイルのアタクシからみれば、藤原斉信なんちゅう漢たちは雲上人そのものかも。

 

山口仲美さまの解説


藤原斉信は、衣裳の全体を赤色のグラデーションでまとめ上げています。
上には、全体として桜の花びらのようなピンクに見える直衣を着ています。
 

直衣の下からは光沢のある紅の下着が、シャツ出しルック風に見えています。
下半身には、藤の折枝模様を織り込んである赤紫の指貫。
 

後には、白や薄紫の裾が長くなびかせ、ピンク、紅、赤紫、と赤系統の濃淡で衣裳をまとめています。
 

それを際立たせるように白も配色するという、なんともド派手な出で立ち

清少納言 VS 藤原斉信・・・、TV画面ではどんな風に描かれるのでしょう。