ムラサキシキブ

ムラサキシキブ

この紫の粒々を見ると思い出す。
母方の祖母のこと。
母の実家に行くと、いつも珍しいお菓子を用意して迎えてくれた。
この紫の粒々は九重・・
紫蘇味の紫と柚子味の黄色い粒々をお湯のみに入れてお湯をおとす。
熱々をフーフーしていただく。
お湯をおとすより、そのままを一粒ずつカリカリと頂く方が私は好きだったな。
50年以上前、宅配便もなくどうやって祖母は用意していたのか謎。
他にも阿闍梨餅や鶏卵そーめん、霜ばしら、風月堂のゴーフレットや和泉屋のクッキーは当たり前。

祖母がハイヤーで遊びに来る時には銀座に寄って私の大好物だった小豆の最中アイスをお土産にしてくれた。
小さな私は『モグラアイス』と呼んでいた。

私の誕生日には自由が丘のモンブランからケーキを届けてくれた。
ホールのケーキが珍しい時代。
大きなホールケーキは私の自慢だった。

今リフォームしている家は祖母が三味線の練習と私の喘息の転地療養の為に建ててくれた。
だから三代目の私が直すんだ。
次の世代にもその次の為にも・・
きっとおじいちゃんもおばあちゃんも喜んでくれるはず。




#紫 #粒々