「やっほー!呼ばれて飛び出たナノちゃんで〜す!!いえーい!!!」

 

 

「ちょっと、もう少しお淑やかに登場出来ませんの!?本当にナノはお転婆で困りますわね……」

 

 

「…私は……賑やかなのが好きだから……ナノ姉様が元気なのは嬉しい」

 

 

「それはさておき。今回は私たちの住んでいる世界について語る、でよろしかったかしら?」

 

 

「そうそう!えっとね、なんて言ったらいいかな〜」

 

 

「何だかずっと、春みたいに暖かいよね。夏みたいな所はあるけど、水遊びする時しか行かない。だけど…3ヶ月位寒い事がある」

 

 

「ゆるは基本的には春が好きなんですの。花が咲いた頃にメジロの写真を撮るのが楽しいとかで。でも、自分が生まれたのが大寒と立春の境目だった事もあって3ヶ月だけ冬を取り入れているらしいわ。」

 

 

「あと、「生ぬるいだけの世界じゃつまらないから寒い季節を取り入れて厳しくしたい」とも言っていましたわね。わたくしからしたら迷惑な話でしかありませんけど。」

 

 

「え〜、ナノは冬の季節好きだけどなあ。仁菜ちゃんが無限に雪を降らせてくれるから雪合戦し放題!」

 

 

「そういえば……仁菜姉様って、冬の頃だけ冬の力が強くなってるよね。普通、冬妖精だったら一年中冬妖精で力が強い、とかだったりしない……?」

 

 

「ゆるは仁菜に関してはそこまで強い冬妖精にしたくなかったんだそうよ。優しげな雰囲気にしたいとかで。容姿に関しては大人の事情がどうとか言っていた覚えがありますわ。使いもしない髪や目を買い込んで余らせた結果とも言えるかしらね。

 

後は、春景色に雪が映えそうだからという理由で、春でも雪を降らせられるようにしているようですわ。」

 

 

「あと、すっごい大きな木が一本立ってるよね!よく木登りしてるんだけど、たまにリザ姉ちゃんやアンが一人でウロウロしてたりするんだよ。

 

それでね、あの二人が木のふもとで突然消えちゃう事とかあるの!でも夕方までには帰ってきたりするんだよねえ。何なんだろうアレ〜」

 

 

「あの木は地底に通じていましてよ。リザは「ゆるが何に悩んでいるのか」と心配になった時に向かうんだそうよ。ゆるが悩んでいる事が姿形を伴って出てきているみたいね。

 

リザとアンはゆるのそういう気配が分かるみたいね。アンは単に遊びに行ったり暇つぶしに行っていますわ。

 

突然消えるのは、呪文を唱えるか祈るかしてテレポートでもしているんじゃないかしら。私たちが入る方法を知らないだけですわ。」

 

 

「地底、って確か、ゆるりちゃんが辛い気持ちとかを形にしたものだよね?岩壁で囲まれてて危なくて、光が届かないから真っ暗闇だってリザ姉ちゃんが言ってたよ。そんなに広い場所じゃないって聞いたけど、何でそんなもの作るかなあ……」

 

 

「何事も光と闇はつきもの。明るく楽しいだけでは世界は成り立たないとゆるは言っていましたわね。本当は、「大きい木を植えたくなって、大きな根っこを沢山張りたくなった〜」とかそんな所でしょうけれど。」

 

 

「あと……ゆる殿の精神が不安定になると、地底から木を通じて出るよね。黒いケセランパサランみたいなものが。」

 

 

「そうそう!見た目はちっちゃくて可愛いんだけど、言ってみればモンスターみたいなモノなんだよね。ほっとくと集まって大きくなっちゃうからポンポンっとやっつけるんだよ!大きくなっちゃうとやっつけるの面倒なんだよね〜。」

 

 

「私たちは拙いながらに、自衛の方法は心得ておりますの。とりわけ力が強いのは、光の属性を持つリザと闇の属性を持つアンですわ。二人で力を合わせれば敵なしとの事だけれど、どうにもあの二人は仲が悪いのだわ……

 

あと、リザは剣を、アンは銃を使う事が多いわ。リザに剣を持たせるのは「銃だと剣よりデリケートだし、その筋に詳しくないと扱いが難しいから」とゆるは言っていたけれど……大方マス◯ーキートンの受け売りに違いないわね。ゆるはすぐに他人の影響を受けるから。」

 

 

「剣も銃もカッコよくてナノは好きだよ!あっ、ナノは弓を使う事が多いかな?

ゆるりちゃんは昔弓道をちょっとだけやってたみたいで、撃ち方を教えてもらったんだよ。作法とかは省略していいから、とにかく射られるようになってねって言われたんだ〜。」

 

 

「ナノ姉様は、やる事が雑だから……弓道の作法を教えても最初からやらないんじゃないかって…なんかバチが当たりそうで心配だって、ゆる殿は言ってた」

 

 

「うっ……それは否定出来ない。ゆるりちゃん、ごめんなさい〜」

 

 

「後は、皆それぞれ大なり小なり攻撃魔法が使えますわね。でも、攻撃するばかりではなくてよ。リザは防御、アンは攻撃に特化していますわ。ミツとメイは天使らしく強い治癒魔法が使えますのよ。あいのは星みたいなものを出すし、さとかは歌の魔法が使えますわね。」

 

 

「ライ姉ちゃんはなんかプリズムみたいなのを出すし、ジャネットは火が使えるよね。そういえばテイちゃんって、どんな魔法を使うんだろう?あまり見た事ないんだよね。」

 

 

「テイは拳で語る子だから……魔法なんて詠唱が面倒くさい、まどろっこしいって言ってた。一応爆発系の攻撃魔法が使えるみたいだけど……色々なものを巻き込んじゃうから後片付けが困る……だって」

 

 

「私たちが攻撃魔法ばかり使う理由については、ゆるが「攻撃は防御を兼ねるから」とか「逃げるよりカチコミしたいから」とか言っていましたわね。

 

あと、ジャネットが言うようにここは年中春みたいなものだけれど、この世界が安定するかどうかはゆるの精神で左右されるものだから、ゆる自身が不安定になるとのんびりしていられなくなりますのよ。先程お話ししたモンスターが空気を汚染していくの。守りに入ってたら何も解決しないのだわ。」

 

 

「だから千年ちゃんを作ったんだっけ?より世界を安定させるようにとかで。だけどなんか、あの子って感情がないし話しかけても全然反応しないから、近寄るのが怖いっていうか、なんというか」

 

 

「千年は……最初はそのつもりで作ってたみたいだけど……ゆる殿が千年の設計を考えている間に、沢山の命との別れを経験して……自分もいつか、ではなくて遅からず消えるんじゃないかって…うっすら考えたみたい。

 

だから、ゆる殿が世界からいなくなったら魂の一部と感情を移すようにプログラムしたって言ってたよ。だから感情の方は…そんなに心配しなくてもいいと思う」

 

 

「そんなに沢山のお別れがあったの!?ゆるりちゃん、辛かっただろうな…っていうか、ゆるりちゃんがいない世界が想像出来ないなぁ〜」

 

 

「いや、ゆるの場合大切な人との別れだけでは……いいえ、多少はそういうのもあったんでしょうけど。」

 

 

「なんか…「取り憑かれてるのか鳥に好かれてるのか分からない」って……言ってる事があった」

 

 

「どういう事?何があったの?」

 

 

「ゆる殿は…ここ数年の間に……道端や家の敷地内でスズメ目の亡骸に遭遇しまくって……拾って埋葬してたんスよ……俺以外のヤツと……」

 

 

「ジャネ、なんか今キャラ変わらなかった?」

 

 

「気のせいですわね」

 

 

「気のせいだよ」

 

 

「それはともかく、私たちが住んでいる世界についてはお分かり頂けたかしら?」

 

 

「絶対気のせいじゃないと思うけど……まっいいか!じゃあ次はえーと、私たちの関係について、だったよね。ミッちゃんメイちゃん、あいのちゃんとさとかちゃんでお送りします!それじゃあまたね〜!!」