別荘を掃除してたら、父が書いた、旅の本が出て来た!1969年アルジェリア戦争で精神的にひどい傷を負った父は、ヒッピーになり世界一周をする事を決めた。いろんな仕事をして作ったほんのすこしのお金でシトロエンの2CVを買い、なにも考えず、親友と夢の冒険へと向かう。


当時では考えられない無謀な旅は世界中で話題になったみたいだ。


この頃からglobeが始まっていたのか?と、思わせる1ページ目の絵に感動してしまう。世界中の人々が手を繋ぎ笑っている。ヒッピーというとなんかヘラヘラ、プラプラ、なんも考えない最低な人種とメディアでは言われているが、こういう愛と平和な考えこそもっとクローズアップされるべきなのではと思う。32歳の当時、戦争やビジネスではなく、愛と夢だけを信じ旅をしている親父がなんか羨ましい。とてもかっこいい。


漫画家だった父はその旅をすべて描いていた。今では入ることすらできないシルクロードの国々が絵になっている。そんな夢の旅が分厚い本になっていて、一晩中飽きずに読み続けた。全てが手書きの時代。時間をかけてひとつひとつ大事に記憶を刻んでいく親父を想像する。今の時代では考えられない大変な作業なんだけど、もしかしたら、このめんどくさい、ステキな行動が僕達には必要なのかもしれない…インターネット、スマホ、SNS…そんな時代にこそ人間ぽい手書きってのが忘れそうになっている愛ってやつなのかもしれない。そんなことを考えながら、夜がふけていく。


ほかにもなんかあるんじゃないかと、別荘内を探していたら、その旅の写真集まであった!白黒の写真が何百枚も黄ばんだ紙に貼られている。ステキすぎる冒険がその2冊の本から湧き出てくる。僕の想像と絡み合い、別荘内で1人夢の旅をする。


そんな素晴らしい夜を過ごし、何日かたって、毎日移動ばかりしている僕は、ふと、アイディアが湧いた。僕の旅はいつもだいたい2泊3日。そんなショート旅行にピッタリな、一生大事にもてる、地球に優しい、カバンを作る!カバンの隠れた場所に親父の絵をプリントして、それを見るたび愛、平和、夢、冒険を思い出そうと。
思いついたらすぐ行動でw いろいろミーティングがスタート。デザイン、リサイクル素材などが決まって行き、工場を探す!メイドインジャパンのカバンと言えば兵庫県の豊岡市!自宅から3時間車でゆっくり向かう!ステキな海沿いの街にある工場で工場長といろいろ話す。


ちょうどいい形、大きさ、重さのステキなサンプルが僕を待っていた。色は旅の汚れがしっかり刻まれる白。『白は汚れますよ〜』とみんなに言われたが、僕はその汚れが大事な思い出になっていくんだと、一歩もゆずらなかった。


もちろん、黒も作った(笑)


大事な父の絵はカバンの中にプリント。
最初の頃のミーティングでは、全面にプリントするべきとの意見が出たのだが、僕は隠れた所でオシャレがしたいタイプなんで、プリントは隠した。外はシンプルでカバンを開けるたび夢の冒険が見えてくる。小旅行が楽しくなるカバンにしたかった。


プライドと誇りをもった工場の社員さん達は皆globe世代!一緒に夢を作り上げられて幸せです。


そんな父は、今も元気に人生をアートしている(笑)


実は父の夢は地球半周で終わったのです。たしか、ラオスから船で神戸に着き、東京にむかい、新宿で遊んでいたら、母に出会い恋に落ちるのです。そして半分駆け落ち状態で、フランスに戻り僕が生まれる。夢がそこで止まってしまったのです。だから…いつか、彼の夢だった世界一周を僕と娘で実現してみたい。三世代で実現なんて本当にステキだと思う。最近は2CVを見かけるたび、ついつい写真を撮ってしまう。先日もツアー中、福井県で1台見つけた。ナンバープレートもなく、放置されていた。ぜひ譲ってほしい(笑)


眠っている時の夢は実現しない、だからいつも僕は夢を見そうになる瞬間目を覚まし、起きている時に夢を見まくるんです(笑)起きてる時の夢は実現可能だからね!いくつになっても夢はみつづけていたいもんだ。