『ライト、“光り輝くライト”って名前にしようかな』
突然とんでも無いことを言いだしたライト。
『光龍(らいりゅう)さんに合わせて』
「光源氏みたい」
そう言うと、
『何それ?』
「晴明さんの生きてた頃に書かれた本だけど…
んー藤原道長って知ってる?」
『知らない』
「晴明さん生きてた頃の人なんだけど…
ライト、お手伝いでお届け物してたんでしょ。
誰なら知ってるの?」
『事件に巻き込まれるといけないからって、
名前は教えてもらってないんだよ。
どこを曲がって、って
道だけ教えてもらって届け物して、
帰りに迷子になってた』
『ライト、十七条の憲法なら知ってるよ。
“和を以って貴しと為す”
晴明さんに教えてもらった。
晴明さんには字も教えてもらったよ』
ライトは、
人間の姿で何年か生きたのが
晴明さんの時代だけなので、
晴明さんは誰よりも思い出深い人なんだろうな。
式神として仕えて、
お世話になったけれど、
1番いろんなことを教えてくれた人。
『すっごいお世話になったんだよ!』
ライトの話を聞いていると、
安倍晴明という人物がどんな人だったのか、
大切に想うのもわかる気がするのでした。