大物主様へ仕える神職として、

代理参拝について

注意書きをさせていただきます。



昔は、

貴族や武士が家臣に代理参拝を依頼したり、

犬が代わりに参拝する、

ということがありました。



貴族や武士が家臣に依頼するのは、

定期的に自分が行っていたが

立場が上がり、自由に身動き取れなくなった。

だが、あの神社への礼は欠きたくない。

代わりに届け物をしてくれぬか。

こうして代理参拝が行われていた時期があります。



また、江戸時代には、

犬が代わりに参拝する代参が流行り、

“代参犬”と呼ばれていました。

自由に出かけられない時代だからこそのもの。

当主に代わり飼い犬が出向いたのです。

道中ではいろんな人が犬にご飯を食べさせ、

無事に神社へ辿り着き、

また無事に帰れるよう、

世話をしてくださっていたようです。



うちの神使いくん達は、

『ライト、神様の声聞こえたらそっち行っちゃうからどこにいるかわからなくなっちゃう。

ライトは代理参拝できないなぁ』



『たぁたんもね、みちまちがっちゃらママがひっぱってくれるでちょ。ママないとおちょとはこわい』

などと言っていて、帰巣本能などないので、

ライトとタルには代参犬は務まらなさそうです笑い泣き




これはあくまでも、

その時代時代の背景があり、

そういうことが行われていたのであり、

本来は自分で行くべきです。



中には、止むに止まれぬ事情(病気など)で、

行きたいけれど行けない。

だから代わりに行ってきて欲しい、

というのはあるかと思います。

その場合、ご家族であったり、

親しい知人に依頼し、

そのためだけに行ってきてもらう。

そういうものだと思います。



あくまでも、身近な人に、

当人が止むに止まれぬ事情で行けないから

当人の想いを代わりに伝えてきてもらうものであり、

縁もゆかりもない人に依頼するものではありません。

代理参拝の趣旨を履き違えないでいただきたいのです。



コロナ禍以降、

いろんな神社で、

郵送での対応もしています。

止むに止まれぬ事情がある場合、

神社へ直接相談していただきたいと思います。



いろんなところで、

“代理参拝で縁を繋ぎます”

などという文言を見かけたりしますが、

そういったものには依頼すべきではありません。



神様との縁は、

自分が何度も足を運んで繋いでもらうものです。

足繁く足を運び、縁のできた神様であれば、

神様のほうが心配して

様子を見に来てくださったり、

眷属さんを派遣してくださったりします。



神様との縁が強固であれば、

何も言われずとも、

御眷属さんをつけてくださっていることもあります。



お世話になった神様にご挨拶したいのに、

今年は行けない。

などという時には、

ご自宅から【遥拝】という手法もあります。



神職として、

代理参拝なる商売は

容認できないなぁ、

と思うのでした。