お散歩に行く時、ライトはいつも私の斜め後ろを歩きます。

お散歩ヒモを持つ人の斜め後ろを歩き、

後ろに人がいれば、後ろを気にしながら歩きます。

家族に前を歩く人がいれば、ヒモを持つ人より前に出ることはありますが、基本後ろです。





みんな一緒がいいんだな。

タルが前を歩くから、後ろを見守ってくれてる。

そんなふうに、勝手に解釈していました。



前を歩かない理由が全然違うところにあろうとは…。



それは、代理参拝について話していた時のこと。

『ライト、ママが行けないってなった時、

代理参拝できるかな?

ライト、迷子になるからな。

ごめんね、ママ。ライト方向音痴なの。

いつもお散歩の時、ママの後ろ歩くでしょ。

前を歩いたら方向がわからないからなんだ』



……笑い泣き



まさかの発言!

「え、後ろ歩いてる理由それ!?じゃあ、タルは?

タルは前歩いてるけどわかるの?」

『タル、わかんないよ。まちがったらママひっぱっておちえてくれるでちょ』

まさか2匹とも方向音痴だとは。。。ガーン笑い泣き






『式神としてお仕事してた時もさ、

いつも迷子になってたんだよね』 



安倍晴明がまだ生きていた頃、

ライトは晴明の式神として屋敷に仕えていました。

その頃のライトは金髪翠眼の少年。

鬼と言われる種族だったのです。

おそらく外国人だったと思うのですが、

当時の日本人は見た目が違う人間を

『鬼』として恐れていました。




晴明は、鬼の子を産んだ行く先のない女性を

生まれた子供と共に屋敷で面倒を見ていました。

ライトもタルも、晴明の屋敷で生まれ、

晴明の屋敷で育った鬼の子でした。

面倒をみてもらっているから式神として働く。

晴明の屋敷にいた式神とは、

そういう存在だったのです。

(タルも金髪の女の子でした)





『タルはね、まだ小さかったからお屋敷の中だけで働いていたんだ。

ライトはちょっとだけ大きくなったからお外で働くようにもなったんだけど、いつも迷子になってたの。

晴明さんに“遅かったな”って言われて、

“迷子になってました”っていうと、

“そうだろうと思った”ってため息つかれてた。

迷子になるから、晴明さんが、

ライトの行く方向に、ぽっぽっぽっぽ、って灯りがつくようにしてくれたんだよね。

間違わずに正しい道を行くと、後ろの灯りが消えるの。

間違えると、後ろの道の灯りの色が変わって教えてくれるんだ。

ライトいつも迷子になるからね』


「迷子になるなんて式神としてどうなの?」


『だからね、晴明さんに

“隠密行動には向かないな”って言われて、

届け物とかして働いてた』





面白すぎる!

思わぬところで、ライトの弱点を知ったのでした。



今日は節分ですが、

ライトやタルみたいな可愛い鬼なら大歓迎!

『鬼は外』ではなく、

『魔は外』かな。

豆を投げるのも、

魔を滅する=まめ、ですしね。






↓ライトの鬼の話