私も昔は、よく怒っていました。
些細なことでイライラしたり、
「なんでそんなことをするんだろう」と相手を責めたり。
でも、同じ出来事でも、
まったく怒らない人もいます。
この違いは、どこから生まれるのでしょうか。
実は怒りは、
「目の前の出来事」そのものによって生まれているわけではありません。
自分の中にある“ルール”とのズレによって生まれています。
人はそれぞれ、
無意識の中に「こうあるべき」という基準を持っています。
これを私は、
“自動思考のルール”と呼んでいます。
例えば、
・子どもが片付けをしない
→「自分で散らかしたものは、自分で片付けるべき」
・後輩が朝の挨拶をしない
→「社会人なら挨拶するのが当たり前」
・同僚が仕事中にサボっている
→「仕事は真面目にやるべき」
こうした自分の中のルールに反する出来事が起きると、
脳が自動的に反応して怒りを生み出します。
つまり怒りとは、
“出来事”に対してではなく、
「自分のルールとのギャップ」に反応している状態なのです。
そして厄介なのは、
この“自分と違う人”は必ず目の前に現れるということです。
当然ですよね。
この世界は、
一人ひとり違う価値観を持って生きています。
同じ国で育っても、
見てきたもの、経験したこと、受け取った言葉は全員違います。
全く同じ環境で育つ人は存在しません。
双子ですら、性格も考え方も違ってきます。
だから、
「自分のルールに合わない人」が存在するのは、
実はとても自然なことなんです。(逆にルールに合わない人がいないという方が不自然です)
また、おまけの知識ですが、
ルール違反の行動は「ダメだ」と反応出来る=相手のルールも認識している(自分の中に存在している) と言えます。
仕事をサボりたい自分も存在しているということです。
「サボりたい」よりも「サボらない」側が優位になる方向に自動思考が構築(関係性により)されただけです。
認識していないと「ダメ」とすら言えないですからね。
ここで、とても大切なポイントがあります。
それは、
怒りは“自分の意志”で作っているわけではないということです。
自動思考が、
勝手にルールとのズレを検知して、
自動的に怒りを作り出しているのです。
例えば、
高い場所に立つと、
自然と「怖い」と感じることがありますよね。
あれは、
「怖がろう」と決めているわけではありません。
脳が自動的に反応しているのです。
怒りも、それとよく似ています。
多くの人は、
この自動思考を“自分そのもの”だと思っています。
だから、
「自分が怒っている」と感じます。
でも実際には、
脳の機能が自動で反応している部分も大きいのです。
呼吸を無意識でしているように、
怒りもまた、
ある意味“自動運転”で起きています。
そして、
ここを理解すると、
少しずつ心が軽くなっていきます。
なぜなら、
怒りそのものは、
実は何も解決してくれないからです。
問題を解決するのは、
怒りではなく“行動”です。
怒鳴ることではなく、
伝え方を変えること。
責めることではなく、
相手を理解しようとすること。
その方が、現実は大きく変わり始めます。
だから大切なのは、
「今、自分はどんなルールに反応したんだろう?」
と、自分を客観的に見てみることです。
これを“メタ認知”と言ったりもします。
感情が出てきた時に、
・自分は何を当たり前だと思っていたのか
・何に反応したのか
・本当に怒る必要があることだったのか
を静かに観察してみる。
すると少しずつ、
「自分は、怒らなくてもいいことに反応していたんだな」
と気づく瞬間が訪れます。
その瞬間から、
世界の見え方は少し変わり始めます。
自分と違う価値観の人に対しても、
以前より優しく接することができるようになります。
そして何より、
自分自身が楽になります。
怒りに振り回される時間が減ると、
心には少しずつ余白が生まれていきます。
もし最近、
イライラすることが多いと感じているなら、
「相手が悪い」
だけではなく、
「自分は、どんなルールに反応しているんだろう?」
「相手の自動思考ルールはどんなだろう?自分とは違う環境で育ったんだね」
と、一度観察してみてください。
そこに、
心を軽くするヒントが隠れているかもしれません。
今日もあなたが穏やかで幸せでありますように(^^♪