メルカートで働くようになって、
実に14年にさしかかる。
月曜日から土曜日まで、
来る日も来る日も、
いろいろな人を迎え、
また、戻って来られる方たちも、
いらっしゃる。
それでも、
同じ日というのは、
1日たりともないわけで、
よくもまぁ、
いろんな事件が起こるよのう...
と、
改めて、感心するわけである。
2階のフードコートがオープンしてから、
人の動く時間帯も若干変わり、
閉店時が、一番混む、
その時間に、
やけに小綺麗なオッさんが、約1名。
オバちゃんとオバちゃんの
間に立ち尽くし、
聞けば、
オリーブオイルを探している...
なんて、申すわけである。
何か妙な違和感を
ぬぐいきれないのは、
これこそ、
経験値というべきか...
それでも、
最後まではわからぬと、
あくまでも、
どのお客さんも、
お客さんとして扱うわけである。
2本のオリーブオイルを手にし、
あぁでもない、
こぅでもない
と繰り返し、
ようやく決めるわけであるが、
早いところ、
終わらせた方が良かろうと、
他のお客さんにお願い申して、
先に会計をしてあげる。
おもむろに、
彼が使った、
クレジットカードの決済は、
「Carta Rubata」(カルタ ルバータ= 盗まれたカード)
と出てくるのであった。
何も気付かぬフリをしつつ、
「このカードは、ブロックされています。」
と説明し、
商品を素早く元に戻して、
事無きを得る。
何年か前にもあったけど、
他人のカードを盗んで、
買い物をする手は、
未だにあるわけである。
私は、警察官でもなんでもないから、
注意を促すことしか出来ないけど、
まぁ、毎日毎日、いろんな事が起こるわけである。
そんなメルカートの仕事も、
残すところ、あとわずか。
ギリギリまでは、
せいぜい、
楽しもうと思う私である。