イ・ソンジュンやソン・ユヒョンがしなやかに台詞を話す人物であったため、初めにトーンを作っていく段階で謹厳さが足りなかったとは思っている。それで台詞の強弱を調節する部分、呼吸を続けていく程度、語尾の処理などの部分を重点的に練習してイ・ガクの感じに近付こうとした。
演技に集中することでむしろ他の悩みや思いを解消することが出来たように感じられる
そんなところもあるが、それは撮影をしながらすぐに感じられる気持ちではなかったと思う。実は父が亡くなって撮影現場に復帰する気持ちにはなれなかった。でも僕の出番自体がもともと多くて、自分が選んだ作品を諦めてはいけないという責任感も感じたから現場に行かざるを得なかったけど、こんな感情を持ってどう笑えばいいのかという悩みも少しあった。でも実際に撮影現場では慰めてくれた方々もいて、その慰めすら重いかと思って気楽に日常会話をしてくれた方々もいて、僕も少しずつ日常に戻りつつ、重い心を振り払い始めたと思う。そうやってドラマを終えてみたら僕がこのドラマに、イ・ガクという人物に、ここに出演する俳優たちとスタッフたちにたくさん慰められたんだと思えた。たとえ僕のことを慰めてくれたつもりではなかったとしても、僕には一つ一つがすべて慰めだったから。
最終話の撮影をしながら涙をものすごく流したと聞いたが、イ・ガクの立場でもあるが、ユチョンとして流した涙もあったと思うが。
カメラが回る間は100%イ・ガクとしての涙だった。没頭していたのもそうだが、ラストシーンを撮る時は夕暮れに近かったので現場が本当に無我夢中で忙しかった。ヨン・テヨンとしてさっさと撮って「ユチョン着替えて来い!」と言われたら「はい!」と答えて走って行ってイ・ガクに着替えてまた撮影する状況だったので感情に浸る余裕がなかった。みんな放送に間に合うように流したいという気持ちだったから(笑) でも撮影が完全に終わった後はユチョンとしても少し泣いた。
**********************
役に必要とされる要素を緻密に考え、事前準備するユチョン。優等生的かもしれませんが、他の方法を知らないのだからこうなりますよね。歌って欲しいのですが、もっとがむしゃらに多くのドラマや映画に出ていく時期ですね。