薬局での患者さんとの話は、薬のことだけを話しているわけではない。
特に病院以外に行くところのない高齢者にとっては久しぶりの会話の場となり、昨日見たテレビの話の真偽とか、ニュースになっているゴシップとか、そんな話もしたりする。
先日、長い夫婦生活がいかに平凡で地味かという話を延々としていた患者さんが、帰り際に「『本当ですか?』というのはあなたの口癖ですか」と聞いてきた。
私は相槌の「あいうえお」「さしすせそ」の他に「本当ですか」も使う。
別にその話を心底疑っているわけではなく、つまらない話をドラマチックに盛り上げるために使っているのだけど、さすがに使い過ぎたか。
「口癖ですかねぇ」と回答を逃げていると
「『本当ですか』なんて使わない方が…もう若くないんだから」
と突然大きな爆弾を投げてきた。
呆気に取られて「そうですか」って返してみたけど、何だ?
「本当ですか」って若い人しか使えない言葉だっただろうか。
モヤモヤしながら週末。
『新空港占拠』を見ていたら、(ほぼ)同世代の櫻井翔くんが「ウソだろ…」を連発していた。
よし、今度から「本当ですか」の代わりに「ウソでしょ」を使えばいいのかしら。