『鹿の王』
ついに読み終わってしまった。
上巻は話がどういう方向に進むか検討がつかず、誰が出てくるのかもわからず、お化け屋敷に入ったような気分でじっくりとゆっくりと読んでしまったのだけど、下巻に入った頃にはもはや飛鹿のごとく文字を駆け抜けページをめくりあっと言う間に読了。
最後を読むのがもったいなくて泣きそうになった。
↓以下ネタばれ含みます。
途中、これはものすごい後味の悪い終わり方をするんじゃないかと不穏な空気が漂ってきて、その衝撃に備えて心の器を用意しているところにあんなエンディングが来たもんだから、その落差の大きい分、いろんな感情が涙になって出てきた。
ファンタジー小説にありがちな「世界は救われました、良かったね!チャンチャン!」っていう終わりではなく、其々の葛藤を抱えて、生き方を模索しながら、過去を背負いながら、それでも生きていくんだっていう温かくて前向きな終わりにかなり胸が熱くなった。
「守り人シリーズ」にハマったらしばらく他の本が読めなくなると思って警戒していたのだけど、これはもう絶対読むしかない。