家庭をもち子育てにいそしんだり、仕事にバリバリはげんだりそれぞれの生活を送っていた5人が、東日本大震災を経て私たちが毎日不安な日々をおくったように「いつでもあえると思っていても何があるかわからないもんだね」「会えるときに会わなきゃね」と会い、被災地のために何ができるか考えた結果、16年ぶりに再結成することを決めた。
そう、1年限定のプリンセスプリンセスの再会だ。
16年ぶりに音楽をやる。わたしも今年7年ぶりにナースの仕事を再開したけど、この半年間は駆け出しのころのようにままならないこともたくさんあってひぃひぃ言っていた。（比較におよばない？汗。）16年といったらその倍以上の年月。
解散以降音楽から遠のいていたメンバーもいるなか、まずその決断に至ったのはただ、単純にスゴイ！としかいえない。
そして本当に凄かったのは、この1年で、16年前をひょいととびこえるような、演奏力で私たちを痺れさせたことだ。新曲はないにしろ、「懐かしい」だけにはとどまらない、16年分の5人の培ってきたパワーがライブを経るごとに私たちにビシビシつたわる。演奏のクオリティをあげるべく個々が積み重ねてきた努力が曲を現在に寄りそうものにしたのだ。
そう、この音楽に対する真面目さが20年前の私をトリコにした。
今日はその集大成。東京ドームでのラストライブだった。ちょうど油がのってきて、さぁ、これから！というときにその活動を終了してしまう。本来だったら、「このまま再結成を考えようか？」という意見が出てもおかしくはない。でも、メンバーの考えは当初と変わらずブレていない。この再結成はあくまでも「震災の復興支援のため」なのだ。
10代にあこがれたお姉さんたちは30代になってもやっぱりあこがれのお姉さんたちだった。
「ダイヤモンドは増えていくもの」 そう、岸谷香は言った。
私はこの1年をとおして5人からこれからを進んでいく勇気をもらった。
その勇気がわたしの人生のダイヤモンドをうみだしますように。
寒い寒いクリスマスイブ、東京ドームの上に浮かぶ楕円形の月を見ながら願いをこめた。