厳しい現実がここにある
この責任はいったい誰にあるのか
少年院を本退院する時
担当だった保護司も院の担当官も
この子は絶対大丈夫だから身元引受人としてお願いします
と頭を下げて育ての母親に平身低頭そういった
遠いところにいる私が今までの経験からこう言った
お母さん、子どもは心の底からお母さんにわびてません
小さい時から成人し少年院を出るまで一生懸命育てた
子どもだけど
手紙の文章を見ると繕っているとしか見えません
関係者から頭を下げられた母親は、私の言うことより
彼らを信じて私に行った「今回限り信じてやりたいと」
私にはそれ以上言う資格もない。分かりました立ち直るといいですね
といって電話を切った。
その後もお母さんから度々電話があったがこの子無理ですわと言う
それが今晩緊急の電話が鳴った
財布から盗むは、せっかく就職した仕事は首になるは、母親に金出せ
と暴言は吐くし、娘にも乱暴するしどうしようもない状況になった
これ以上家に置いておくわけにはいかないと言うと
身元引受人になったではないか、面倒見るのが当たり前だという始末
3歳の時に玄関前に捨てられていた乳飲み子を可哀そうな子どもだった
里子として一生懸命育てたつもり、小学校から大学まで行かせたのに
大学2年で傷害事件で逮捕され少年院に入院する
その結果がこれだ
保護司に連絡する「私には関係ないことですから」と話にならない
関係機関に連絡するもどこも同じような答えしか返ってこない
何処に相談していいのか困り果てて
先生、いまさら相談もないのですが「どこも頼るとこありしません」
助けてください。夜も怖くて眠れません。このままではまた病気が再発する
人を助けるとはどういうことだろう、関わるということは何だろう
関係者はその場さえよければいいのか
私の住む千葉から相談者のところへはどんなに早い交通機関を使っても半日もかかる
やってますよ!と言う関係機関の言葉に寒気がする
日本人が持っていた人に対する優しい心や優しい声かけ
困っているときに心底かかわりを作ってあげなくなった
結局解決には私一人の力だけなのか
それにしてはあまりにもさびしい日本の社会になってしまった
国はこうした家族があることを知っているのかを問いたい気もするが
それを言うと愚痴になるから、それだけは言うのをやめよう