→ つづき →
4、不祥事・スキャンダル
安倍内閣は「美しい国づくり」を目指して組閣されているが、組閣
してからわずかの間に、閣僚
や内閣総理
大臣が指名した人物に関する醜聞、不祥事やトラブルが多発する異例の事態に発展しています。法
を司るはずの法務大臣
(長甚遠
)の不祥事が相次いで発覚したり、2代連続で不祥事の報道された農林水産大臣(松岡利勝
、赤城徳彦
)などが問題視されています。特に、不透明な政治資金疑惑が相次いで発覚し、「政治とカネ」の問題がマスメディア
で取り上げられています。
特に1つの内閣において1年もしていないうちに閣僚がすでに3人交代していて、これは過去に例があり
ません。ここでは、3人の交代した大臣について、また国民の最も関心のある政治的問題である年金問題
について触れたいと思います。
① 佐田玄一郎元行政改革担当大臣について
この問題は佐田氏の政治団体が1990年の発足時から2000年まで、架空の事務所経費計約7800万円を支出した虚偽の収支報告書を提出したと報じられました。佐田氏は「事務所経費などは実際に支出されており、架空の活動費ではない。ただし、他の団体の活動費の付け替えがあった」などと説明し、不適切な会計処理があったことを認めました。政治資金規正法はザル法と呼ばれ、どんなに改正を重ねても政治家は抜け道を見つけようとします。総務省は収支報告書について「政治家の正直な報告を前提とした制度であり、記載漏れの有無など形式的な確認はしますが、実態調査までする権限はない」と説明します。今回のような虚偽は私たち国民にはわからないようになっているのです。私たちの払っている税金(とはいえ学生である私が払っているのは消費税くらいですが)がどこにどう使われているのかわからないようになっているのは問題であると思うし、またそれを利用して国のことよりも自分の懐を暖めることしか考えてないような政治家の多さに辟易します。またか、なんて思ってしますほど、日本の政界への信用が失墜していることを知って欲しいです。
② 松岡勝利元農林水産大臣について
現憲法下で初めて、現職で自殺した大臣で、政界や私たち国民に大きな衝撃を与えた事件だったと思います。
内閣府へのNPO申請照会口利き疑惑・事務所費の不透明な支出・光熱費問題(ナントカ還元水)・100万円献金使途不明問題など、いわゆる『政治とカネ』の問題が次々と浮上しました。安倍総理は自身の内閣
の威信を貫くため松岡をかばい続けましたが、マスコミ
は連日のように彼の不祥事を報道しました。本人も真相を話したいと語っていたようですが、党
の方針としてそれも許されず、このことが彼を精神的に追い詰められて自殺したと考えられている。
この事件で松岡氏は、日本人らしく武士が切腹するように自ら命を絶って責任を取ったという意見と、最後まで説明責任を放棄すべきではなかったという意見に分かれています。
私は、きちんと経緯を説明してから償い、辞めるべきだったと思います。死者を冒涜するわけではありませんが、死んでしまえば全てが許されるというわけではないと思うし、真相を隠したまま亡くなったのは、卑怯な気がします。私たち国民に代表として大臣になったのだから、国民にきちんと誠意を示して欲しかったです。
③ 久間元防衛大臣について
一番初めにも書いた通り、これは久間氏の千葉県柏市麗澤大学で行われた公演で「長崎に落とされ悲惨な目に遭ったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で、『しょうがない』なと思っている。それに対して米国を恨むつもりはない」と述べた、この『しょうがない』という言葉に『非常識である』『暴言』と非難が集まった。
ベテランの政治家である久間氏が、何故急にあんな発言をしたのか、首をかしげてしまします。終戦前後のできごとについての歴史的評価は難しく、デリケートです。1人のお評論家・歴史家が自分の意見を述べるのは自由ですが、政治的影響を考慮すべき政治家の発言とは思えません。
アメリカが未だに従軍慰安婦問題を日本に謝罪させようとしている今、随分と違いがわかる気がします。日本はそんな意識に低い人間がベテラン政治家でいいのでしょうか?
④ 年金問題について
『消えた年金』『年金の支給漏れ』『宙に浮いた年金』5000件!もう、恐ろしいとしか言いようがありません。前々から、年金の未納入が問題になっていましたが、今後も増えるかもしれません。
この問題は、私たち国民が毎月きとんと年金も納入していても、社会保険庁やその他の公的機関の間違いや手違い、紛失のせいで年金を受け取れなくなっていた事件です。最初は領収書がなければ支給しないという話でした。30年前の領収書など、全員が取っているわけありません。社保庁の方々の態度に、まだ当事者でない私も憤りを覚えました。
1年ですべて片付けると豪語しましたが、本当にそれは可能なのか。私には疑問で仕方ありません。最初はどれだけ時間がかかるかわからないなどと言っていたからです。できるのであれば、そちらのミスですし、最初から誠意を見せて欲しいものです。
この問題を受け、安倍内閣の支持率は急激にダウンします。下のグラフはありませんが、先日は既に支持率30%を切っています。(グラフ無し)
5、まとめ・考察
今回の安倍内閣は、今まで以上に不祥事やスキャンダルが多く、ここに書ききれないものがまだまだたくさんあります。今、松岡元農水相から交代したばかりの赤城農水相も、政治資金収支報告書に疑問があると、問題になっています。まだ若く、クリーンなイメージの強かった赤木氏まで『政治とカネ』で問題になり、この内閣の汚さに嫌気がさしています。『美しい国』を目指すはずの内閣が、こんなにも美しくなくていいものなのでしょうか。これが、日本を代表して国を動かしていく人たちなのです。私たち国民は、本当にこのような人たちに、私たちの未来を預けていいのでしょうか。
最近では、法案の強行採決を行っている場面をニュースでよく目にします。話し合いとはとても思えない暴力的な決定に、私は国の政治に携わる全てに、不信感を抱きつつあります。あの光景を見ていると、一部による独裁的政治が容易に想像できるのです。 また年金問題など、本当に愕然とさせられるようなことが多々見られました。だから私が興味を持った(むしろ恐怖ですが)のですけれど。
もうすぐ参議院選挙があります。もしまた安倍内閣が発足すれば、憲法は改正され、その他多くのことが変わることでしょう。今度こそ、美しい国、美しい内閣、美しい政治を目指して欲しいです。選挙の投票率は、国民の政治への関心を表しています。先日、テレビでベネズエラでは投票率が90%を越えていると聞きました。日本は…。政治的関心の低さも、今後の日本の行方を心配する原因の1つです。
終了!!