070512_232452.JPG
久々に文学作品と呼ばれるものを読みました
谷崎潤一郎の『痴人の愛』という作品です
昔は教科書などにも載せられ、年輩の方(失礼かしら??)は耳馴染みのある作品だそうです
本当に―こう言っては失礼だとは存じますが―くだらないものばかり、最近は読んでいたので…心が洗われる気がしました

良いものは、やはり良いのです

元々、谷崎潤一郎は好きです
彼の見る、所謂『悪魔主義』は頷けるものがあるからです
醜悪なものの中に美を見ようとする彼は、この作品での悪を主人公の妻になる西洋的悪女におき、その夫が身を滅ぼす様を描いています
評論家も言っていましたが、馬鹿馬鹿しいと思ったら笑えと言う谷崎潤一郎の言葉に、笑える男性はそう多くないと思います
一人称告白体で書かれたことも、作品の空恐ろしさに拍車をかけているように思います

他にも『刺青』や『卍』、『細雪』などよみましたが、やはり初期の作品の方が悪魔主義が顕著に現われていて私は好きです
初期でも『卍』から、日本の香り漂う作品になっていますが…その前の作品の方が、素敵なキャラクターが多くて好きです
みなさんも、一度お試しあれ



私はそろそろ、灰色の俗世に戻ります