‟君、明日から来んでいいよ”

 

 

そんな風に職場から突然言われたら、貴方ならどうしますか?

 


私の夫は、特殊機械の設計製造の会社に、エンジニアとして勤務して11年が経っていました。
入社した頃からパワハラ気質の社長に嫌気を覚えながらも、その当時既に40半ばだった夫は、‟退職しても次が無い”と思い、パワハラに我慢して勤めておりました。
 

毎朝の朝礼では、何度も聞いた社長の武勇伝や自慢話が1時間ほど続いた上に、残業不可で、仕事がはかどらないと怒鳴り散らし、営業不振や失敗を社員のせいにして反省文を書かせる、、、

‟社員はワシのもとにぶら下がっている”

そんな自らの傲慢な考えを堂々と社員達の前で、得意げに話すこともあるようです。

社長家族と、4人の社員、小人数の会社で、次期社長であるその息子も社員として働いているのですが、社長のやり方に口出し出来ず、社員へのパワハラも見て見ぬ振りを続けているような状態だったと言います。

我慢強く控えめな性格の夫は、パワハラ社長の格好の餌食だったと思いますショック

例え自分の意見を少しでも述べようものなら叩きのめされるのです。

そして、社長の理不尽な言い分に、黙って頷き、言われたことをなんとかこなして来たようですが、それでもいちいちネチネチと言われるようで、、、

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そんな環境の中でも、物を作るのが好きな夫は、仕事内容自体は気に入っていたのと、土日祝休みで残業なしという基本的な休みが取れるところも、これまで勤務出来た理由です。


それと、何人かパワハラで退職して行くのも見送っていましたが、休みの日に呑みに行くような気の合う年下の同僚の友人が居てくれて、モヤモヤを吐き出せる事が出来ていた事も大きかったです。

 

忘れもしない、4月10日の事です。
帰宅した夫の様子が沈んだ様子でしたので、また会社でパワハラ受けたかな?と思い、夕食時にどうしたのと尋ねました。

 

夫は、「今日な、突然社長から、‟きみ、明日から来んでいいよ”って言われてん…」

と力なく呟きました。

 

私は、これまでのパワハラを聞かされていましたし、そんな環境に長くいて欲しくなかったので、本当は早く辞めて欲しかったのです。

 

以前に何度か「会社辞めてもいいよ」と言っておりましたが、夫がどうしたいかがなにより大事ですから、そこまで強くは言って来ませんでした。

 

私は、夫のつぶやきから3秒程唖然としていましたが、すぐさま直感的に"悪い知らせ"

ではないと思いました。

 

「うん、それは良かったほっこり やっと会社から離れられるやん。夫くん、自分から辞めるって選択無かったやろ?」

 

と笑顔で返しました。

 

夫は、「でもなぁ、会社辞めさせる時って、何か月前とか、せめて数日前とかに言うのが普通やろ? 明日からって、どうゆう事やねん…ニコ汗11年真面目に努めてきた社員にやで、そんな対応ってある??」

 

(夫は、もちろん落胆している感じでしたが、このような時、‟怒り”として感情を露わにしない性格です。)

 

何でもこのところ会社の業績が赤字だったようで、(まぁ、社員を大切にしないとそうなるでしょうね…)その為の人員削減だったようですが、突然解雇するなんて、大切な夫にそんなひどい仕打ちをした社長には、私ももちろん内心腹が立っていますイラッ

 

でも、夫婦共働きで子供はいませんが、フリーランスで不安定な収入の私には、それほど多くないとはいえ夫に安定した収入がある事はとても有難く、それに残業代をケチる会社の体質も、夫との時間を大切にしたい私にとっては好都合だったのです。

夫も、そんな会社への感謝の気持ちが無い訳ではなかったので、これまで辞めずに居れたのもありますが、そのやるせなさといったら如何ほどか計り知れないです、、、


しかし、話をよくよく聞いていると、明日から会社は行かなくていいけれど、5月末までは有給消化でお給料が貰える。入社当初から‟無い”と言われていた退職金もわずかながら直ぐに降りる様です。
法律的な事に詳しくないので、一見不当解雇のように思えますが、事前通達なしに解雇という所を除けば、自ら退職届を出すよりも好条件のような気も致しました。

 

また、法的に訴えれば、何らかの勝ち目が出るような気も致しますが、そうして嫌いなパワハラ社長とまた向き合う事になるのも気力を消耗しますし、嫌な思いを長引かせてしまう事になるのなら、そんなお金よりも、スッパリ忘れて次の道を探す方が良いという事で、二人の意見は一致しました。

 

 

 

 

 

そして夫くんに‟これまでお疲れ様”を言って、二人で乾杯しました。

 

私は、「しばらく家でゆっくりしたらいいよグッ安心して、私もお陰様で仕事忙しくさせて貰ってるしニコそうや、平日のお出かけも楽しもうねーラブラブ


と言って、この先の事を話し合うより、まずは夫の気持ちが落ち着くのを待ちたいと思いました。



母の肺癌発覚から、ほどなくして夫の解雇・・・

 

あ、そうそう、夫の解雇の日は、住宅ローンの申請が正式に降りた2日後の事でした。

 

もしかすると、不幸が立て続けに起こっていると感じられる方も多いかも知れません。

母や、夫の苦しみを思うと、感情的には‟不幸な出来事”かも知れないですが、大きな流れの中に居ることを感覚的に実感してきた私にとっては、これらの一件が、私達にとって将来的に‟必要な経験”であり、あらがえない神様の御意志と思えてならないのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

続きます

 

 

 

ブログをお休みしていた間の、去年の10月からの出来事を時系列で綴っています↓