心が傷つくのは、パートナーはかくあるべきだという期待や、あなたの「ルール」を手放していないからです。
期待を手放したとき、心に柔軟さが生まれます。
過去の失恋の痛みや、何らかの経験による心の傷がまだ残っていたら、そこを見て下さい。
『傷』とはその関係があなたの「ルール」どおりに進行してほしい、その人にもあなたの望みに応じて行動してほしい。という、
口にには出さない要求であったことを思い出してください。
あなたが前に進み、受けとることができるように、その要求のすべてを進んで手放して下さい。
それによってあなたがほしかった愛が感じられるのです。
エゴは「保証」や「証明」が大好きです。
だから私たちが「保証」や「証明」を表わすものを獲得したとき、「安心」というご褒美をくれます。
エゴは「怖れ」という鞭と「安心」というアメを使って、私たちの思考や感情を操っているのです。
＜人間が苦しむ５つの理由＞ があると言われていますが、
1.自分が誰だかわからないこと。
2.自分をエゴが作り出すセルフイメージと同一視すること。
3.永遠でないものにしがみついていること。
4.永遠でないものに怖れ脅えること。
5.死に対する怖れ。
「理由のある幸せは形を変えた不幸」です。
「理由のある幸せ」に執着することは、＜人間が苦しむ５つの理由＞のなかの3つ目「永遠でないものにしがみついていること」にあたります。
相手の愛や絆を「期待」や「要求」に応じてくれることに保証を見ていると、パートナーが自分の「期待」や「要求」に応えてくれれば「愛」や「絆」が証明され、応じてくれなかったらそれは「ない」ことになってしまい、心の傷に苦しむことになるのです。
この物質世界は、エゴの「ルール」＝「理由・形ある幸せの追求」で成り立っています。
わたしたちが幼いときから親や学校や社会から教育されて刷り込まれる「ルール」も、エゴの「ルール」なのです。
だからわたしたちが無意識でいると、自動的に身近な人に「期待」や「要求」を出して、目に見えない愛や絆の証明を求めようとしてしまうのです。
しかし、わたしたちの心は物質界ではなく、意識界に属します。
心は意識界の「ルール」のなかでこそ、活き活きできるのです。
見えなくても、触れなくても、証明がなくても、心が通じ合えたときの感動＝共感が愛だと感じる世界に、わたしたちの心はあるのです。
物質界の「ルール」の枠に心を押し込めたら、心は自由を失います。
だから苦しみを訴えるのです。
パートナーが「嫌うから、許さないから、拒むから、非難するだろうから」
と自分をパートナーの「ルール」に無理に合わせると、パートナーにも自分の「ルール」に従ってもらうことを期待・要求してしまいます。
それに応じてもらえないと、わたしはこんなに愛して（合わせて）いるのに、相手はまったく愛して（合わせて）くれないと傷つくのです。
この関係では両方が不幸になり、心が通い合う関係でなくなってしまいます。
まず、パートナーのみならず他者の期待に応えようとする姿勢を見直して下さい。
必要以上に他者に合わせようと、期待に応えようと、自分を殺していませんか？
その抑圧が反動となって、親密な関係の人に自分の期待・要求に応じてもらいたいという欲望に変わり、自らを苦しめるのです。
愛や絆は、期待・要求に応じる・応じてくれた数で証明されません。
それをやればやるほど、心が疲弊し愛も絆も感じられなくなっていきます。
自分の心を自由にし、相手の心にも自由を許してください。
心の自由は最高のプレゼントです。
大いなる源（神・ソース）が私たちに与える愛も、無制限の愛（自由選択）です。
大いなる源が人類に与えたプレゼントを、私たちは愛や絆の代償に奪う権利はないのです。