高校3年の夏、、、私は旭川スタルヒン球場の応援席に居た、、、。高校野球の全校応援だ。



私が通っていた某私立高校は、野球に大変力を入れており、当時そこそこの強豪であった。



私は吹奏楽部員であったため、試合と言えば毎回駆り出されており、全校応援でなくとも「特別欠席」通称「特欠」扱いで、球場に赴くのである。



勉強がキライなので、ラッキー口笛などとお遊び気分で応援に行くのだが、現場はそんなに生易しい物では無かった。


カンカン照りのクソ暑い中、重い楽器を汗だくで運び、日光直撃の球場応援席に楽器や譜面台を、セッティング。この時点で下着まで汗グッショリだ。



試合が始まると、たいした興味のない野球の試合の行く末を見守りながら、やれ「必殺仕事人のテーマ」だの「ルパン三世のテーマ」だのを顔を真っ赤にして演奏し応援する。炎天下の下で、、、だ。



あの日は確か、甲子園に出場するための試合だったのだと思うのだが、30年前の事なので忘れた。
「準決勝」であり全校応援であった事だけは覚えている。


対戦相手は北高だった。



この日もクソ暑い中、意識朦朧としながら楽器を吹いていた。もはや試合などどうでも良い、負けてくれて結構。さっさと終わってくれなどと薄情なことを思いながら楽器を吹いていた。


ボーッとしていたのだろう、「ヘッ❓」と思ったと同時に、目の前に星が散った。



そう、、、打たれたファールボールが応援席に飛んで来て、私の左頬を直撃したのだ。



部員皆、ボールがこちらに向かって来る‼️という時に、とっくに散々に避難しており、私の周りには誰も居なかったゲッソリ



後に、対戦相手の北高側の応援席にいた友人に聞いた話によると、ファールボールが飛んで行ったと同時に、間抜けな吹奏楽部の女一人以外パーッと散ったのが見えたそうな。



遠目だったが「あ、あの女にボール当たった」ということは解ったと。



教職員が一斉にボールの当たった女に駆け寄って行くのも見えた。あの女、大丈夫か❓と思っていたが、まさかアンタだったとはね、、、と、その年の秋に開催された中学のクラス会で笑い話となった。



私は、、、というと、ボールが当たった翌日からだっただろうか、左頬が紫色に腫れ、まるで「DV夫にぶん殴られた妻」の様な顔になり、恥ずかしい思いで登校した事を憶えている。



学校の食堂で、野球部員らしき坊主頭の生徒を見かける度に「コノヤロウ、お前か⁉️」などと腹立たしい気持ちにもなったが、誰にも罪は無い。ただ運が悪かっただけだ。




今日、家の中で体力をもて余して、プラスチックのバットで、プラスチックのボールを打って遊んでいる末っ子を見て思い出した、若かりし頃の「痛い」思い出、、、。