世界観episode52~運転免許取得へのいばら道(HSP社会人前日譚②)

 

 

  前回は

  地元に戻って

  公務員の試験を

  受けたことを

  お話ししました。

 

   世界観episode51~ストレスフルな就職試験(HSP社会人前日譚①)

  

 

  今回は、

  試験に合格した後、

  自動車の運転免許を

  私は持っていなかったので

  運転免許を取るために

  自動車の教習所に通ったことを

  お話しします。

 

  

  最近では車離れもあり、

  運転免許を

  持っていない社会人も

  いるようになりました。

 

  ですが、

  私が大学を卒業した

  平成9年頃では、

  社会人は車の免許を

  持っていて当たり前

  という空気が満ちていました。

 

  もちろん、

  当時に住基カードや

  マイナンバーカードのような

  顔写真付きの公的身分証明書が

  パスポート以外

  無かったせいもあります。

  当時は

  学校を卒業して

  学生証がなくなると

  顔写真入りの身分証明書が

  なくなってたのです。

 

  顔写真入りの身分証明書が

  ないのは、

  何かと不便なので

  身分証明の意味を込めて

  自動車の運転免許を

  取得する学生や社会人1年生が

  多くいました。

 

  姉も在学中に

  自動車の教習所の合宿で

  免許を取っていました。

  

  ですが、

  私は 

  車の運転に

  興味を持てなかったので

  在学中に自動車の運転免許を

  取得していませんでした。

   

 

 

  地方では、

  都心と比べ交通網も

  十分に発達していないので

  仕事の移動は

  公共交通機関というより

  車に頼らざるえないからです。

 

  つまり、

  社会人になる上で

  自動車の運転免許は

  必須アイテムともいえる

  ものだったのです。

  

  

  このため、

  地元に戻り、

  翌年4月からの就職が決まった私は

  早々に運転免許を

  取得する必要が出てきたのです。

 

  今回は

  運転が好きだとか嫌いだとか

  言っている場合ではありません。

  仕事のためには

  一も二もなく  

  自動車の運転免許を取る必要が

  出てきたのです。

 

 

  車の免許には

  ミッション車に乗れる制限なしと、

  オートマ限定免許とがあります。

  

  今でこそ

  オートマ車が主流ですが、

  当時は

  多分これからは

  オートマ車が主流になるだろう、

  くらいな感じでした。

  

  ですので、

  運転免許は

  どちらにするか問題が

  起きました。

 

  ミッションの免許は

  姉から話を聞く限りでは、

  半クラが難しくて

  難易度が高そうでした。

 

  ちなみに

  教習料金はオートマ限定の方が

  少し高額でした。

  もっとも、

  料金の安いミッション車で

  免許をとることにしても、

  延々補修券を切り続ければ

  結果として

  オートマ限定出免許にしても

  そんなに変わらないくらいでは

  ということでした。

 

  しかも、

  今の時点で

  オートマ限定免許が出ているし、

  家の車はオートマという家庭が多い中、

  はたして

  ミッション車しかないような

  環境に行くことがあるだろうか?

  できればオートマ車で済ませたい...

  と私は悩みました。

 

  というのも、

  私は自分が不器用なのは

  承知していたので、

  半クラをうまくこなせる

  自信が無かったからです。

 

   

  私の家では

  父は免許を持っていたものの

  車には乗らないため、

  父に相談するわけには

  いきませんでした。

 

  困った私は

  少し前に免許を取った

  地元の友達に相談しました。

 

  彼女は

  オートマ限定免許を取ったとのこと。

  理由は、

  家の中で相談したところ、

  家の車もオートマだし、

  今後のことを考えても

  オートマ限定で大丈夫だろう

  という話になったからとのことでした。

 

  そうして、

  彼女に習い、

  私はミッション車より

  取得が簡単と思われる

  オートマ限定の免許を取るべく

  教習所に通うことにしました。

 

 

  教習所には毎日通いました。

  初めて

  教習車に乗り、

  教習所内を最初時速10kmくらいで

  走ったとき、

  進む距離と速さにびっくりしました。

  文明すごい!と驚愕したのです。

 

  というのも、

  私の中で自分が運転して

  一番速いのは自転車だったからです。

 

  しばらくしてから、

  確か20kmで走行する

  練習をしたと思います。

 

  怖くて十分速度を出せず、

  助手席の指導教官が

  いらいらしていて怖かったのを

  覚えています。

  

  教習所では、

  教習車に乗るときには

  基本

  決まった担当教官と一緒でした。

  

  この担当教官と

  私は相性がものすごく

  悪かったのです。

  

  

  担当教官は

  褒めるとか、

  緊張感をほぐそうとか一切しない

  粘着系の厳しい人で、

  いつも不機嫌に感じられました。

 

  運転する時の私は、いつも

    「次のコーナーで左に回るから、

   左の後ろを見て....、

   その前にバックミラー見て...。

   先生、なんか不機嫌そう。。。

   怖いな...。

   なんとかクリア。

   次直進。

   あ、今すごく不機嫌そう。

   何かやったかな....。」 な感じでした。

 

  教官が

  「違う!

   また振り返るのが速すぎる。

   さっきも言っただろう。

   それじゃあ確認したことにならない!」

  と険のある声で注意するのです。

   

  もうそれだけで

  緊張感が全身に走り、

  私はあたあたおたおたして

  していました。

 

 

  教習車は密室で

  逃げ場がありません。

  しかも2人きり。

 

  すぐ隣に

  普段馴染がない人が

  いるだけでストレスフルなのに、

  さらに

  不機嫌な人が人がいるので、

  大変でした。  

 

  今にして思えば、

  私の怖がりで

  しゃきしゃきできないことが

  教官の

  いらいらの元だったのだと思います。

 

 

  もちろん、

  教官が厳しいこと自体は、

  車は走る凶器ともなるし、

  最悪の場合は

  人の命を奪うこともあるので、

  必要なことだと思います。

 

  ただし、

  あまりにも教官が厳しすぎて、

  私はすっかり萎縮し、

  教官が隣に乗るだけで

  びくびくするようになったのです。

 

  

  教官が注意すればするほど

  私はかえって萎縮し、

  うまく運転が

  できなくなっていきました。

  

  そして、

  私は

  運転するたびに

  教官に叱られるようになり、

  どんどん自信を失っていきました。

 

  今からすれば

  何であんなにできなかったのか、

  全くなぞなくらい、

  できませんでした。

 

  補修券を何枚もきりました。

  

  また補修になったことを

  あやまりながら

  母から追加の補修料金を

  もらいました。

  ※教習所の料金は両親に出してもらいました。

 

  母は、毎回

  「事故をすることを考えたら

   ちゃんと

   今習っておく方がいい。

   気にしないでよいから」と

  私を慰めてくれました。

 

  教習所では、

  ほぼ毎日同じ顔ぶれと出会います。

  自然に顔見知りになり、

  話す機会も増えました。

 

  あるとき、

  親しくなった女性から、

  私の進度があまりにも

  遅いのが気になると

  言われてしまいました。

 

  というのも、

  彼女は

  私より少し後から入ってきたのに、

  私より進んでいたからです。

 

  私は彼女に事情を話しました。

  

  彼女と話してわかったのですが、

   どうも教官に差がありすぎるのです。

  

  私の教官と異なり、

  彼女の教官は

  とても優しいので

  安心して

  運転に集中できるとのことでした。

 

  彼女から、

  「教官を変えた方が良いんじゃないの。

   私の先生は○○先生というんだけど、

   その先生に習うようにしてみたら」

  とのアドバイスをもらいました。

 

  私は、

  教習所の事務担当の方に

  事情をやや伏せ気味に話し、

  担当の教官を彼女と同じ人に

  変えてもらいました。

 

  その教官は、

  穏やかな方でした。

  私が緊張でがちがちになっていると、 

  それじゃあ運転が危ないよと

  おだやかに言って

  緊張をほぐしてくれました。

  

  私は変えてもらって良かったと

  ほっとしました。


 

  「叱られないって

   こんなに安心なんだ。

   監視じゃなくて

   見守ってくれてるのって

   こんなに安心感があるんだ」

  

  落ち着いて車に乗ることが

  できるようになった私は、

  安心して順調に

  訓練を勧めることができました。

  

  路上教習も

  難なくクリア。

  先生を変えてもらって以降、

  補修券を切ることは

  ありませんでした。

 

  私にアドバイスをくれた女性は

  家の事情で、

  途中通学ペースを

  落とされていた時期があったため、

  一緒に卒業することができました。

 

  「一緒に卒業ができて良かったね!

   元気でね。」

  笑顔でお別れしました。

 

 

  彼女の親切のおかげで、

  私は無事卒業できたのです。

  もう会うことはありませんが、

  今でも顔は覚えています。

 

 

  HSS型HSPの特性に

  人に見られるのが苦手、  

  環境に影響を受けやすい、

  完璧主義で失敗を恐れる、

  威圧的な感じの人が苦手で、

  人の機嫌の影響を受けやすい

  ということがあります。

 

  また、

  ネットで

  他のHSS型HSPの方も

  言われていたのですが、

  パーソナルスペースも

  非HSPの方より広いようです。

  つまり、

  すぐ隣に慣れない人が

  いるのは苦手なようです。

 

  今にして思えば、

  教習所での練習は、

  常に見られるため

  私は緊張にさらされます。

  教官の不機嫌さに

  ますます緊張が増します。

 

  場所は2人きりの密室。

  しかも

  距離がとても近い。

 

  HSS型HSPの

  私にとっては

  そもそもが不利な状況でした。

 

  加えて

  私は教官に叱られるのを

  恐れていたので、

  失敗しないようにと

  思えば思うほど

  お約束通りで

  緊張して失敗しました。

  

  教官に叱られるたびに

  自信を失い、

  萎縮しさらに失敗するという

  悪循環にはまっていました。

  

  悪循環から

  抜け出すまでの私は

  「自動車」を過度に 

  恐れるようになっていたと思います。

   

  当時の私に取り、

  自動車は

  「私が運転を誤れば 

   人の命を奪い、

   人の人生を狂わせることになる」という

  かなり怖い乗り物でした。

 

  「そんな恐ろしい物、

   私に運転できるの?」と

  不安だったのです。

  

 

  自動車は道具なので、

  使い方を誤らなければ

  便利な乗り物です。

  

  自動車の大前提

  「安全に運転すれば」を

  身につければ問題ないし、

  そもそも

  それを身につけるために

  私は教習所に来ていたのです。

 

  この点を

  私は完全に見失っていました。

 

  教習所の教官の

  「心配性な人は気をつけて

   運転するから、

   そんなに緊張しなくてもいいよ。」

  という言葉は、

  免許を取り、

  一般道を車で運転し始めた頃、

  私を励まし、

  安心させてくれました。

 

 

  また、 
  HSS型HSPの

  周囲からの刺激を受けやすいという

  特性のおかげで、

  私は高速道路の運転を

  教習所以来したことが

  ありません。 

 

  理由は  

  教習所で一度

  運転したときに

  処理する情報が

  速度に比べて多すぎて

  ものすごく疲れたからです。

  

  そのとき、

  私は高速での運転は絶対しない

  と決めました。

 

  HSS型HSPの特性に、

  大事故をすることもなく

  今に至ることができました。

 

  この先も

  安全運転を心がけていきたいと

  思っています。

 

  

  明日は、

  単発での

  アルバイトの経験について

  お話しします。 

 

 

        

 

 

 

 

  

   に続きます。