世界観episode22~高校1年生・憧れのクラス委員(HSP高校編・その①)

 

 

  前回は

  中学校と高校生活での

  思い出ことを

  お話ししました。

  

 

   世界観episode21~中学校生活と高校生活(HSP中学・高校編・総括)

 

   

  今回は、

  高校1年生のときに

  クラス委員に選ばれたことを

  お話しします。

 

  

  私は高校1年生まで

  クラス委員になったことは

  一度もありませんでした。

  

  クラスメイトから

  推薦されたことも

  ありませんでした。

 

 

  一方

  4歳上の姉は

  小学校の中学年から

  ずっと学級委員で、

  しかも、

  中学校のときは、

  生徒会の副会長まで

  勤めました。

 

  小学校のとき、

  学級委員は朝礼等で

  整列するとき、

  列の先頭に立ちます。

  学級委員は特別、偉いのだと

  クラスの中でのヒエラルキーが

  見せつけられる気がしていました。

 

  姉のそんな姿を思うにつけ、

  朝礼のとき、

  全く動く必要のなかった自分との

  差を感じて、自分をふがいなく思い、

  情けなさでいっぱいになっていました。

   

 

  小学校のとき

  当時クラスで一番

  背が低かった姉は、

  背の順でもずっと一番前だったので

  並び順を変えても一番でした。

 

 

  一度、状況を知らぬ先生に

  学級委員は前に出ろ!と

  叱られたことがあるそうです。

  姉は憮然としながら

  自分が学級委員だと先生に

  告げたそうです。

 

  

  このエピソードは

  父のお気に入りで、

  何度も何度も

  悦に入って話していました。

  

  

  姉はそれを聞くのは嫌そうでしたが、

  大人なので、聞き流していました。 

 

  私はそれを聞くのは大嫌いでした。

   

 

  父もですが、

  父方の祖母と伯母は

  権威と名誉に

  憧れと執着がありました。

 

  姉のこの学級委員就任・

  生徒会副会長就任は

  権威への就任なので、

  自分たちの誉れであり、

  大喜びでした。

 

  

  その理由をお話しします。

 

 

  勝ち気でプライドの高い祖母は、

  昔は裕福だった実家が

  少女の頃に没落して

  環境が激変し、

  色々不本意なことを

  我慢することが多かったそうです。

  

  そのこともあり、人一倍

  名誉と権威に執着がありました。

 

  また、

  祖母が芦屋の本家を訪問した際に

  不愉快な思いをさせられたことも、

  このことの大きな一因でした。

 

  

  加えて、

  祖母が期待を寄せていた

  伯母が途中で失速し、

  優秀だった伯父が早逝したことも

  次世代の孫達への

  大きな期待を生む要因でした。

 

  (祖母は早逝した伯父よりは

   賢さが劣り、努力をしたがらない

   おっとりした性格の父を

   「坊ちゃん」として

   育てたかったので

   そのあたりの期待は

   そもそもしていなかったようです)

   

 

  そんな祖母の希望の星だった

  父方の従姉が、

  成長するにつれ失速したことで、

  祖母達の期待は姉に向かったのです。

  

 

  具体的には、

 

  小学校の頃、

  家族で年に数回祖母の家を

  訪問するとき、

  祖母と伯母は、いつも、

 

  「まぁ、

   ○○ちゃんは

   級長さんなのねぇ。

   近所の××さん

   (祖母が嫌いだった隣人)

   のところの子は級長じゃないのよ。」

  

  「級長さんだから」

 

  「級長さんなのね」

 

   と2時間程度の訪問の間中、

   連呼していたような気がします。

   

   それほど、

   姉の学級委員の就任を

   賞賛していたのです。

 

   賞賛される姉のとなりで、

   私は特に言葉をかけられることもなく、

   2時間くらい過ごすのです。

 

   繊細で自己肯定感の低い

   HSS型HSPの子供にとっては、

   その間中、自己否定を行うので

   つらくてたまりませんでした。

 

   低学年のときは、

   大体帰宅後は必ず激しく泣いて

   荒れていました。

 

   祖母の家では

   爪痕が深く赤く残るほど、

   強く手に爪を立てて

   必死に泣くのをこらえていました。

 

   そして、

   小学校3年生の頃には、

   

   「私は人の上に立つ才がないから

    お姉ちゃんと違って

    学級委員に選ばれないのは当たり前」

   

   と自分に必死に言い聞かせるように

   なりました。    

 

 

   

   学期の初日か二日後にある

   クラス委員の選挙があります。

   この日は私にとって、

   拷問のような一日でした。

 

   

   クラス委員への就任は、

   叶わないことがわかっていても

   期待を押さえられず、

   朝からずっと、

 

   「私は人の上に立つ才がないから

    学級委員に選ばれることはない。

    お姉ちゃんのように

    選ばれることがないのは当たり前」

  

   というセルフトークを

   ひたすらとぎれることなく

   頭の中でかけ続けるのです。

 

    

   そして選挙後はいつも、

   期待むなしく選ばれず失望し、

   そんな自分にさらに自己嫌悪を

   募らせていました。

 

 

   学校で泣きそうになるのを、

   プライドが高いので、

   完全にごまかしていました。

   

   その反動で、

   帰宅後はすさまじい

   自己嫌悪が一気に襲ってきて、

   自己肯定感が

   壊滅的なレベルになるほど

   自己否定を行っていました。

 

   

   そういうことを

   高校1年生までずっと

   繰り返してきたので、

   憧れのクラス委員に

   就任したときは、

   もう嬉しくて嬉しくて

   たまりませんでした。

 

 

   「これでようやく、

    私もお姉ちゃんみたいに

    褒められる」

 

   期待して報告しても、

   みんなの反応は薄く、

   祖母・伯母にいたっては

   無反応だったような気がします。

   

  

   近所の伯母からも

   私が期待していたような反応は

   得られませんでした。

 

   

   今にして思えば、

   独身で子供のいない父方の伯母や

   子供が嫌いな祖母は、

   子供の姉と私に何を話して良いのか、

   実は困っていたのです。

 

 

   そして、幼い私が隣で

   どんなにつらい思いをしているかを

   想像することが全くできなかったので、

   姉の学級委員長就任は

   格好の話題ということで、

   姉を過剰に賞賛していたのです。

 

   

   母方の親戚も、

   父方ほどではないにせよ、

   このことが当てはまることが

   今ならわかります。

 

 

   そして、

   彼らにしてみたら、

   高校生になった私が

   クラス委員になったことを

   ものすごく褒めてほしいと

   思っていたなど、

   全く思いもよらぬことだったのです。

 

 

   因みに、

   この高校1年生のときの

   クラス委員就任には

   オチがあります。

 

   正直、

   選ばれたのは嬉しかったけど、

   選ばれた理由が謎で

   ずっと疑問に思っていました。

 

   あるとき理由が分かりました。

 

   合服を着ていたので、

   初夏に近い頃だったと思います。

   

 

   高校1年生になりたてで  

   浮かれていたクラスメイトが

   クラス委員同士を

   くっつけてみよう!ということに

   したらしいのです。

   

 

   しかし、 

   肝心の相方のクラス委員長が

   この企画に難色を示したため、

   この企画は頓挫しました。

   

   結局、

   クラス委員同士の

   恋が始まることはなく、

   私が知らないうちに

   いつの間にか

   幕は下りていました。

 

   

   それでも、

   クラスメイト達の戯れには

   大きく感謝しています。

   

   この戯れのおかげで、 

   私はクラス委員に就任でき、

   「学級委員・級長さん」

   と言う点で長年の姉に感じていた

   引け目から解放されました。

 

   また、これを機に

   「私はお姉ちゃんと違って

    人の上に立つ才がないから」

 

   という呪いの言葉を唱えることも

   なくなりました。

    

 

   明日は、高校2年生で

   勉強に失速したときのことを

   お話しします。

 

 

  

 

 

 

  

   に続きます。