『陸奥話記』の話をもうちょっと
軍記物語を読んでいて一番テンションが上がるのは
やっぱり武将の散り際だと思うんですよね
カッコよく散っていく武将たち
……泣けるし胸が熱くなる
『平家物語』の一ノ谷の合戦のあたりなんかもう ですよ
で、『陸奥話記』はわりと淡々とした文体ではあるのですが
メインの男子たちの散り際はバリエーション豊富でステキです
安倍側のリーダーだった貞任は
剣で戦っていたんですが鉾で刺し貫かれ
おっきい楯に載せられて官軍の陣中に連れていかれました
ちなみに6人がかりで運ばれています
(『陸奥話記』によると貞任はもう冗談みたいな巨漢です)
貞任は頼義を一目見てから絶命したそうです……
貞任の子の千世童子は13歳
頑張って戦っていたのですが捕まっちゃいました
さすがに頼義も憐れんで許そうとするのですが
官軍側についていた出羽の清原武則の進言に従って斬ったそうです
……って、こんな優しい頼義は珍しい 笑
それからそれから経清さんなのですが
……これがスゴイです
経清さんも捕まっちゃったんですが
このヒトは頼義にかなり恨まれてたんです
まぁそもそも寝返ったってのもあるんですが
白符というニセの徴税符を作って
官軍が徴収しようとしていた税を横取りするという
さすがの頭脳戦()を展開していたんです
……そりゃ恨まれるよ
で、捕まっちゃったあとに頼義に
「今でも白符を使えるか、あ」
みたいなコトをねちねち言われ
最終的には…鈍い刀で首を斬られるという
えげつなーい殺され方をします
鈍い刀ですよ鈍い刀
切れ味が悪いってことは、じわじわやられるってコトですよ
……まがりなりにも元貴族に何やってくれてんだ、頼義
……あれ、カッコイイ散り際の話をしようと思ってたのに
経清さんのせいでなんか後味悪いな 笑
あ そうそう
この「鈍い刀で斬る」というえげつない処刑方法ですが
実はキシャで過去に扱った作品のなかにも
出てくるモノがあるんですよねー
(キシャ版では例によってすっとばしたのですが)