今日は、桜桃忌ですねさくらんぼ


世界遺産のニュースで盛り上がっていることもあり富士山

今宵は『富嶽百景』を読んで太宰を偲ぼうと思いますキラキラ


『富嶽百景』、大好きなんです!!

『女生徒』と同時期、『走れメロス』の前年ひらめき電球

つまり太宰が結婚して落ち着こうとしている時期の作品でキラキラ

お見合いの顛末なんかも描かれていてキラキラ

『人間失格』に代表される作風に比べるとDASH!

落ち着いた美文の作品キラキラ


……に見えるのですがドンッ


だからこそ!!

純粋な屈折、とでもいうべきラブラブ

奇妙な精神性が出ている作品なんじゃないかと思うのです音譜


何しろ冒頭からDASH!

富士山を、ホメているの、けなしているの!?

な、奇妙な文章あせる

私は、最初の段落にある、この一節が好きです左下矢印


「たとえば私が、印度かどこかの国から、突然、鷲にさらわれ、すとんと日本の沼津あたりの海岸に落とされて、ふと、この山を見つけても、そんなに驚嘆しないだろう。ニッポンのフジヤマを、あらかじめ憧れているからこそ、ワンダフルなのであって、そうでなくて、そのような俗な宣伝を、一さい知らず、素朴な、純粋の、うつろな心に、果して、どれだけ訴え得るか、そのことになると、多少、心細い山である」


この一節、大好きです!!

だって、この後、この『富嶽百景』で描かれるのはDASH!

折々に見た富士山の思い出であってキラキラ

思い出とともにある富士山は、もはやDASH!

「素朴な、純粋の、うつろな心キラキラ

で見たものではないわけで!!

(……というかそもそも日本人が、そんな心で富士山を見るのは不可能なわけであせる

つまりビックリマーク

「富士山って、思い入れがなけりゃツマラナイ山じゃんはてなマーク

と言いながらDASH!

その思い入れを語り続けることによってDASH!

富士山への逆説的な愛情が見えてくる構造になっているわけですよ音譜


ツマラナイ、俗だドクロ

って言いながら、結局、富士山が好きなんでしょ!?

素直に言いさないよ!!

……と言ってやりたい汗

(でも素直になったら太宰ではない汗


富士山って、いいよなドキドキ

と、素直に言わない(言えない)この屈折!!

それが『富嶽百景』の魅力なんじゃないかと思いますキラキラ



余談ですが、この精神性……DASH!

かの『古今和歌集』の名歌桜

キラキラ世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからましキラキラ

に通じるものを感じます汗

「桜がなかったら、落ち着いていられるのに」という歌キラキラ

桜を素直にホメなかったこの歌人、太宰の前世か!? って思います汗