「また明日」って書いたのに
すっかり忘れていました、大宮院さまのハナシ
かの史上最強のアンソロジー『風葉和歌集』
今でいうと、何ですかね
キャラクターソング集 ……違うなぁ
主題歌集 名場面集 名ゼリフ集
……うーん、なんか、そんな感じです
それも200を超える、ありとあらゆる物語からですから
そのマニアックさには衝撃が走りますね
言い忘れていましたが、作られたのは
文永8(1271)年
鎌倉でも朝廷でもモンゴルの件でいっぱいいっぱいの頃です
作らせたのは大宮院さま
後嵯峨天皇の皇后の、西園寺姞子さまのコトです
……お名前、正しく漢字変換できていますかね
女へんに「吉」です
きっと文字化けしちゃっているんだろうなぁ
大宮院さまは、後深草天皇・亀山天皇のお母さま
……このふたりは、南北朝分裂のモトになった仲悪兄弟ですね
あの『とはずがたり』にがっつり描かれちゃっているヒトたちですよ
『とはずがたり』の巻三には、大宮院さまが脚気になったあと
後深草院・亀山院が快気祝いをするという場面があります
そこでは、『源氏物語』を模した豪華な草紙が引き出物になっていて
ほんとに、この時代のヒトたち
物語(特に『源氏物語)が好きだったんだなぁ
と思います
『とはずがたり』には他にも後深草院や亀山院が
『源氏物語』にちなんだイベントを催すシーンが描かれていますし
とにかく、物語ブームの時代だったんですね
……なにしろ、皇太子の前で『源氏物語』についてディベートする会が開かれる時代ですから
(「弘安源氏論議」と呼ばれています)
だから
大宮院さまがこんな壮大なアンソロジーを作ったのも
なんだかとっても納得できるというわけです