そういえば
『ゆめかうつつか』の原作にした『伊勢物語』斎宮章段がどんなハナシかって
まだ語っていませんでしたね
とりあえず「斎宮」とは
という説明だけはしました
(12月12日の記事です)
ざっくり言うと
巫女さん的なシゴトをさせられている皇女さま
ということでした
そんな方に、主人公の「男」が恋するという
懲りないのか
限界への挑戦なのか
……なハナシです
二条后章段と違って、斎宮本人とのエピソードは、ひとつの段にほぼ集約されます
それがこの六十九段
(ざっくり説明します)
むかし、こんな男がいました
伊勢に狩をする勅使として行くということで
当時の斎宮のお母様が
「いつもの勅使よりも、このヒトのお世話をしっかりね」
と言づけたので、親のいいつけなので
斎宮はその通りにしました
朝は狩に送り出し
夕に帰ると御所で休ませ
……かいがいしくお世話しました
二日目の夜、男は
「お逢いしたいです」
と口説いてきました
斎宮も、特にイヤというわけではありませんでした
が、人目も多いので逢えません
勅使のなかでもリーダーなので
遠くではなく斎宮の女の寝所からも近く
女は人々を寝静めて、子一つ頃に、男のもとに来たのです
男も眠れずに外をぼーっと見ていると
朧月のなか、小さい女の子を先に立てて、ひとが立っているではませんか
男はとても嬉しくて、自分の寝ているところに導き……
子一つから丑三つまでの間でしたが……
まだ何事も語り合わないうちに帰ってしまいました
男は悲しくて、寝ずに明かしました
早朝
不思議なことだったと思いましたが
自分から使いをやるわけにはいかないので
じれったく待っていると
夜が明けてしばらくして
女のもとから、コメントはなくて和歌だけ
君やこし我や行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てかさめてか
(あなたが来たのか私が行ったのか。分かりません夢か現実か、寝ていたのか起きていたのか)
男は号泣して返事をしました
かきくらす心の闇にまどひにき夢うつつとは今宵さだめよ
(真っ暗な心の闇に迷ってしまった夢か現実か、今夜確かめて)
そういうことで、狩に出かけました
野にいても心は上の空
今夜こそ人々を寝かせて、すみやかに密会だ
……と思っていたのですが
さて、どうなったでしょう
続きは明日
『ゆめかうつつか』の原作にした『伊勢物語』斎宮章段がどんなハナシかって
まだ語っていませんでしたね
とりあえず「斎宮」とは
という説明だけはしました
(12月12日の記事です)
ざっくり言うと
巫女さん的なシゴトをさせられている皇女さま
ということでした
そんな方に、主人公の「男」が恋するという
懲りないのか
限界への挑戦なのか
……なハナシです
二条后章段と違って、斎宮本人とのエピソードは、ひとつの段にほぼ集約されます
それがこの六十九段
(ざっくり説明します)
むかし、こんな男がいました
伊勢に狩をする勅使として行くということで
当時の斎宮のお母様が
「いつもの勅使よりも、このヒトのお世話をしっかりね」
と言づけたので、親のいいつけなので
斎宮はその通りにしました
朝は狩に送り出し
夕に帰ると御所で休ませ
……かいがいしくお世話しました
二日目の夜、男は
「お逢いしたいです」
と口説いてきました
斎宮も、特にイヤというわけではありませんでした
が、人目も多いので逢えません
勅使のなかでもリーダーなので
遠くではなく斎宮の女の寝所からも近く
女は人々を寝静めて、子一つ頃に、男のもとに来たのです
男も眠れずに外をぼーっと見ていると
朧月のなか、小さい女の子を先に立てて、ひとが立っているではませんか
男はとても嬉しくて、自分の寝ているところに導き……
子一つから丑三つまでの間でしたが……
まだ何事も語り合わないうちに帰ってしまいました
男は悲しくて、寝ずに明かしました
早朝
不思議なことだったと思いましたが
自分から使いをやるわけにはいかないので
じれったく待っていると
夜が明けてしばらくして
女のもとから、コメントはなくて和歌だけ
君やこし我や行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てかさめてか
(あなたが来たのか私が行ったのか。分かりません夢か現実か、寝ていたのか起きていたのか)
男は号泣して返事をしました
かきくらす心の闇にまどひにき夢うつつとは今宵さだめよ
(真っ暗な心の闇に迷ってしまった夢か現実か、今夜確かめて)
そういうことで、狩に出かけました
野にいても心は上の空
今夜こそ人々を寝かせて、すみやかに密会だ
……と思っていたのですが
さて、どうなったでしょう
続きは明日