金曜日の朝、おにぎりを作った。

海苔が湿気っているような気がしたので、
ガステーブルの火を点け
手首を返しながら
海苔の表と裏を炙った。
海苔の香ばしい香りがふわっと漂った。

あれ。
今の子って、こんなことするのかな。

私が子供の頃
特に母に教えられ訳ではないけど
こうやって海苔を炙る光景はよく目にした。

今は、海苔の袋にもきちんと乾燥剤が入っていて
海苔が湿気るってことは
あまりないのかもしれないね。

ウチの子供たちもきっと
海苔を火で炙る…なんてこと
知らないんじゃないかな。

主人に聞いてみた。
「ねぇ、子供の頃に、
お母さんが海苔を火で炙る姿見たことある?」
って。

「あるある!」

男子でも子供の頃
この光景を見ていたのね。
そうして、その記憶は今でも強く残っているのね。

火で炙った海苔は
パリッといい音をして割れた。
その海苔を纏った(まとった)おにぎりは
それだけで美味しそうに見えた。

海苔を炙りながら
昭和の懐かしい光景が甦る。
良い時代だったな。