娘は言う。
「私は、親の言うことちゃんと聞いているでしょ?
私は何かする時には、親が嫌だと思うかどうかいつも考えてるよ。でもね、いつまでも親の言うことばかり聞いてはいられないの!」

私は答える。
「お母さんは今も何かあなたに『〇〇しなさい!』って言うこと聞かせようとしている?していないよね?あなたはいつも私に反発してくるでしょ。お母さんの言うことに『わかった』って言ったためしがないじゃない」

***

よくよく話を聞くと、実際に私が娘に「〇〇しなさい!」と言っているわけではなく、この家で育った中で身体に染みついてしまっているものがあるというのだ。何かを選択する時、無意識のうちに今まで親が選んでいたものを自分も選んでしまっている。選んだ理由を聞かれた時、はたと思う。今まで親がそれを選んでいたから?親が選んでいたから自分も選ぶ…それは自分の考えが無いということに他ならない、と。