札幌駅に到着し、下りエスカレーターに乗っていた時のこと。
私は、エスカレーターの左側に立っていた。
私の前には、ジャージ姿の若い男性。
エスカレーターの右側は、上の方から次々に人が歩いて降りてくる。
すると、その若者は、自分の前に立っている女性の右肩の辺りをそっと押さえた。右側を歩く人の邪魔にならないようにと。
そしてそのあと、その女性の長い髪を優しく撫でた。彼らは、おそらく恋人同士なのだろう。
ほどなく、彼女は自分の後ろに立っている彼の顔を見上げた。それは、彼にちょっと甘えたような可愛らしい表情だった。
エスカレーターを降りた2人の姿を見たら、お揃いのジャージ姿だった。多分、高校生。
その、彼女の髪を優しく撫でる仕草が、彼の彼女を思う愛おしさに溢れていて、なんだか感動してしまった。ちっともいやらしさは感じられなかった。微笑ましいな。大切に愛を育んでいってね。