1日がかりで
内祝いの品を届け終えたあと
取るものとりあえず
車のハンドルを握る。

駐車場に車を入れ
脇目もふらずに
目的地に向かってひたすら早足で歩く。
タイムリミットまであと25分。

息を切らしながら席に滑り込む。セーフ!

ここは、前日の占いコーナー。
昨日と同じタロット&スビリチュアルだが
違う占い師にも
今日同じことを言われたら信じよう
そういう思いで やってきた。
事前に詳しい話は一切せずに占ってもらうと…

その結果。

「彼は今とても楽しそうですよ。
みんなでワイワイ楽しむことが
大好きな人ですね。
なんにも心配するようなことはないですよ」

…と、ここで「実は…」と話を切り出す私。

「ええと、それも彼は 
たまたまタイミングが合わなかっただけ。
そう思ってますよ。
今は、今の状況を楽しもうとしています。

これからの1年間を見てみましたが
概ねいいカードしか出ていません。
5月にはとってもいい事があると出ています」

それに加え
心の奥底で どこか自分に甘い部分がある
ということも本人は わかっています、とも。

なんなのでしょう。前日との気分の差は!
正真正銘のバカとしか言いようのない私。

「1人で大騒ぎして、なんてバカなの!
お母さんのことバカって言って‼︎」

と娘に懇願すると
「バカだバカだ、お母さんはバカだ!」
と私の頭を叩きながら言ってくれた。

占いは、占いでしかないのだ。

そう言われてみると
確かに息子は楽しそうにしているではないか。

どれほどの傷を負ったのか
そもそも傷などなかったのか。
若い新陳代謝で
多少の傷などすっかり治ってしまったのか。

********

気がつけば、春の陽気。
寒く厳しい冬は終わったのだ。
顔を上げ、前に向かって歩き出した息子。

"これからたくさんのいい事が訪れますように"

私が望むのは、ただこれだけなのに。