合不合と学校別模試の
成績解離
娘:じゃじゃ馬。新小5。早稲アカY44→?
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じゃじゃ子(進行中)、中受心得(進行中)
虎の巻(進行中)、開成の深海魚(完結)
息子Y42→Y64~68校(完結)
以前、大規模模試は、それぞれ対象としている能力帯が異なるので、おのずとテストの方向性も異なるというお話しをしました。
SAPIX 高偏差値帯重視
四谷大塚・日能研 標準的な偏差値帯重視
首都圏模試 比較的低目の偏差値帯重視
今回は、なぜ【合不合判定テスト】と【学校別SOやNN模試】で、合格可能性が全く違ってでてしまう子がいるのか?という点について、考察したいと思います。
主に四谷系のテストを受けている、高偏差値帯のお子さんが対象の記事です。
私的には結構的を射ているとは思っていますが、まあ私は自己満足野郎なので、話半分に聞いてください。上から目線ぽい話も出てきますが、主張したい事のための理論補強です。ご容赦下さい。
私が中学受験生であった頃の話から始めます。
当時私は、桐杏学園というところに通っていました。開成80%偏差値が68とかだったので、今で言うSAPIXと似た立ち位置の塾です。週テストも志望校判定テストも、思考力重視でした(SAPIXもそうなのかなと思っています。テスト見たことないので知らんけど。)。6年生の夏後、桐杏学園の総合模試で、私は安定して開成80%偏差値を越えた位置にいました。
その時期に対外試合として、四谷大塚の合不合テストを受けました。確か四谷の開成80%偏差値は72,73とかでしたが、68くらいしか出せませんでした(と記憶しております)。つまり判定はかなり下がりました。そのテストを受けて感じたのは、問題数が多すぎる、思考力よりも単純でスピードを問う問題ばかりだ、ってことです。
私は思考スピードや計算スピードは決して速くありませんでした。むしろ同偏差値帯の子に比べて、遅かった気がします。ただし難問耐性はありました。
地頭論総大将の≪うーたんパパ≫さんも以前おなじ趣旨のことを仰られていたと思いますが、難問耐性のある子の場合は、難易度の高い模試の方が合格判定があがるのです(当然母体が違うので数値としての判定偏差値は変わりますので、合格判定という言葉を用いました)。
なぜこういった事が起こるかというと、
問題を【基礎・標準・準難問・難問】と分けたとします。
例えば下記のテストがあったとします。
テスト①:基礎3割、標準5割、準難問+難問2割
テスト②:基礎1割、標準3割、準難問4割、難問2割
難問耐性のある子は、①タイプでは他の子と差を示せる問題が2割しかないが、②タイプでは6割もあるので、②のテストの方が他の子との差を表現できる。結果合格判定も上がるということが生じるのです。
そして実際の高偏差値帯の入試本番のテストは、②の形式に近いということです。学校によっては、標準的問題も全く出題されず、すべて準難問・難問の所もあるでしょう。
息子の受験伴走のときも、四谷の問題を見ながら、現在でもこの傾向は変わっていないなと感じました。思考力系の問題の比率が低く、問題数は多く制限時間がタイト。組分けテストや合不合格テストよりも、実際の受験の方が時間的余裕があると私も感じましたし、息子もそう言っていました。
こういったことで、【大規模模試】と【学校別SOやNNテスト】で、合格可能性の傾向が違う子が出てくるわけです。
四谷模試結果よりも、NNやSAPIXの志望校模試の方が相対的に成績が良い(合格判定が良い)子がそれなりの数いると思いますが、こういったカラクリだと思っています。もちろん両方が良いに越した事は無いのですけれど。いわゆる志望校との相性問題とも関わってくる事案だと思っています。Y偏差値が足りないという理由だけで諦める必要はなくて、学校別模試や実際の過去問で判断した方が良いと思うのです。逆にY偏差値が足りているから安心というわけでもないのです。
ただしこの過去問演習のときに、以前も何回かお話ししているカンニングが発生すると、
子供による点数水増し
→親は十分に勝負できると考える
→玉砕
が発生しうる大変に困った事態になってしまいます。
*受かる見込みのところに不幸にも落ちてしまったお子さんは皆カンニングしていた、なんて思っているわけではないですよ。念のため。不安に駆られ、親を安心させるため、自分の体裁を装うため、ついついそういった行為に走ってしまうお子様もいる、というだけです。じゃじゃ子も前科があるだけに、十分に注意しないといけません。
*四谷大塚の模試は、超大多数の生徒の振り分けをしないといけないので、必然的にある程度平易な問題も含めて、ある程度の問題数を出題しなければならないといった事情があるので、こういった問題構成になるのは仕方ないことだということは理解しています。
偏差値というのは、その母集団におけるそのテストにおける我が子の立ち位置を示す、というのは事実ですが、測れる能力も模試によって変わるという事を、念頭においておいても損は無いかなと思います。