理科:人体
動脈と静脈について
娘:じゃじゃ馬。小4。早稲アカY44→?
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虎の巻(進行中)、開成の深海魚(完結)
息子Y42→海城(完結)、海城対策&案内
理科の範囲で、人体の動脈と静脈が出てきました。壁の厚さや弁の有無について、丸覚えしては駄目です。どっちがどっちか分からなくなります。お子さんが悩んでいたら、下記説明をしてあげて下さい。
また高学年用の動脈血・静脈血、心臓の弁の話しもしておきますので、高学年のお子さんをお持ちの方もご参考になれば。
動脈:心臓から送り出される血が通る血管
毛細血管:動脈と静脈をつなぐ血管
静脈:心臓に戻ってくる血が通る血管
動脈はその名の通りドクドク動く血管です。心臓はハイパワーで継続的に全身に血液を送っています。首の血管、足の付け根の血管、手首の血管、お子さんと一緒に触れてみて下さい。ドクドク脈打っていますよね。それだけのパワーで血を送り出しているんです。水道から勢い良く送り出すホース、素材が薄くてもろかったら、破けますよね?。だから動脈の壁は圧に耐えられるよう厚いんです。勢いが強いから、逆流防止の弁は不要です(心臓の弁の話しは、より高学年で)。
動脈→毛細血管という細かい血管によって、体の隅々の細胞まで酸素と栄養を運びます。細かいので、当然血の勢いは弱くなります。その毛細血管から、血が静脈に集まってきます。毛細血管を通ってきたので、血には勢いが足りません。その名の通り静かな血管です。ゆっくり流れて心臓に戻っていきます。体の表面から見える青い筋、これが静脈です。触れても脈うっていませんよね。勢いが弱いからです。当然、壁は薄くても問題ありませんし、勢いが弱いので逆流しないように弁が必要になってくるのです。
ここからは、今の範囲ではなく、もっと高学年用の知識になりますので、4年生のお子様をお持ちの読者の方は不要です。
間違え易いのが、動脈血と静脈血、動脈と静脈の関係性です。
動脈:心臓から送り出される血が流れる血管
静脈:心臓に戻ってくる血が流れる血管
動脈血:酸素を多く含んだ血
静脈血:酸素が少ない血
上記は決まりです。絶対に覚えて下さい。
その上で考えると、その後は覚える必要はありません。
肺動脈:心臓から肺に血が送りだされる血管。全身から戻ってきた血が右心房→右心室→肺に行くので、動脈だけれども酸素の少ない静脈血。
肺静脈:肺で酸素を取り込んだ血液が心臓に戻るので、静脈だけれども、酸素の多い動脈血。
大動脈:肺静脈→左心房→左心室→大動脈なので、酸素が多い動脈血。
大静脈:全身に酸素を消費した血が集まって心臓に帰るので、酸素の少ない静脈血。
心臓の弁が必要な理由:心臓から、肺動脈や大動脈に血が送られますが、相当量の血が送られるため、大動脈や肺動脈が拡張します。それが縮むときには当然両方の方向に血が流れます。また心室が収縮するときに、心房に逆流しないようにしないと、肺動脈や大動脈に血を効率よく送れません。つまり、心臓に弁が無いと逆流を防げず心臓に負担がかかりすぎてしまうため、弁が必須なのです。ちなみにその弁の機能が悪くなると、弁膜症という病気になって、悪化すると心不全を起こします。
過去に心臓の弁の向きを問う問題が中学入試で出題されたことがありますが、血の流れの方向を理解していれば覚える必要はありません。知識ではなく、理解の有無を問うた問題だと思います。
丸覚えではなく、背景にある理論・論理を理解して整理しましょう。