泣きたいときは、我慢しない
でもそういうときは、必ず一人
今 お父さんの部屋で、お父さんの指定席に座ってます
台所には、いつもの整髪料 洗顔クリーム歯ブラシ
ここにいるような錯覚をしてしまって
泣いた
あ あそこに飲んでた焼酎発見
持って帰って飲みましょう
あれがすんだら、しばらく飲むのはおやすみだね
まだ時々
お父さんが、本当に死んだのかわからなくなる
実家に行って誰もいなくて
混乱する
お父さんの写真が何枚か出てきた
病室の写メ
検査に行ったときの写メ
そして亡骸の写メ
これをどうして撮ったのか
highになってたからかもしれないけど
本当に死んだってことを
自覚する為に撮った
と、今なら言える
あー本当に死んだのかって落ち着く
全部まだ鮮明に思い出せる
当たり前だけどさ
葬式をしてよかった
家族葬でいいという姉を、制してよかった
喪服もきちんと着てよかった
お着物を着ると、そうだった現実だったって思うそうですよって
着付けの先生が言ってたけど
本当にそうだった
葬式にしても、後から何件か香典をいただいた
やはり面倒だったし、死んだんだって改めて思い知らされて
お返しをするのも、すごく嫌な作業だった
これが家族葬だったら、もっと大変なんだろうね
家に香典を持ってくるんだろうし、いらないって言ったら、せめてお線香あげさせてくださいってなって
来客が増えるんだろうなぁ
家での看取りも、大変だよね
増えないって新聞に書いてあったけど
亡くなったら
誰が死亡届書くのかな?
最近往診とか少ないよね?
通ってる病院の主治医が来てくれるの?
エンゼルケアは?
自分でするの?
葬儀やさんの、湯灌とかを頼むの?
それまでにかちかちになるよね
お湯につけるとやわらかくなるの?
お父さんに会いたいなぁ
ごめんね
もっと一緒にいたらよかったね
死んじゃうなんてさ、認めたくなかったんだよね
認めるってよりも、まさか病気で亡くなるって思ってなかったんだよ
どうしていないのかなぁ
お父さん
あ カープ優勝したよ
びっくりじゃね