人工呼吸器を抜管することができた。

声が出せることが、

自分で息できることが

すごく嬉しかった。

CCUから血液内科の病棟へ

移れることになって、

自分の手にスマホが帰ってきた。

スマホがいつもよりめっちゃ重たかった。

それぐらい筋肉がなくなってることに気づいた。

LINEが溜まってて

それを返すのに体力を使った。

自分より、自分のことを心配してくれる人たちが

私のLINEが返ってきたことで

本気で安堵してくれて、

それが嬉しいけど不思議な感覚で、

当時の私はとてもあっさりしてたと思う。

ドッキリを仕掛けた側みたいな気持ちになって

面白かったんだと思う。

すぐに電話はできなかった。

話すと咳ごむし、肺から出血した後遺症で、

血痰がずっとでてた。

一晩で一箱のティッシュを消費するくらい、

咳して、血痰だしての繰り返しで

全然寝ることができなかった。

不眠症になった。

久しぶりに水を飲んだ。

食道が拒否反応を起こして、

最初は水すらすぐに吐いた。

ゼリーも吐く。

服作用の吐き気はなくなっているのに、

食べたくても体が受け付けない状態だった。

力もなくて、字もまともに書けなかった。

会社に提出する紙に書いた文字が悲惨だった。

その文字をみて、会社の上司には

とても同情された。

私は、食べることも寝ることもできない。

歩くことも立つこともできない。

酸素管無しでは息もできない。

話すたびに咳ごみ、文字もまともに書けない。

今まで培った筋肉も消えた。

色んな管が体と繋がっていて、

私はこれがないと生きていけないんだ。

何もできなくなってることを実感して、

本当に1からなんだと思った。

治療は寛解まで回復し、安定していたが

こんな状態だから

日常生活ができる程度まで回復しないと

一時退院はできないと言われた。

『アリスがいきなり立って歩くなんて話は

嘘やから。』

『いきなりできるなんてまずないので、

一つずつ乗り越えていきましょう』

とリハビリを担当する先生が

挨拶に来た時に言われた。

私は1からでもやるしかない気持ちだった。

今までは副作用に耐えることが

自分にできることだったけど、

自分の努力でなんとかなることは

何でもやろうと思った。

1日でも早く一時退院したかったから。

明日からリハビリが始まる。

やる気に満ち溢れていた。