赤ちゃんのいたずら!?「落とす」で困ってませんか? | 布おもちゃ作家&保育士「ゆっこせんせい」の   『布育®のすすめ~ちゃんと遊べば ちゃんと育つ』

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素敵なおもちゃがあると、遊びが豊かになります。
たっぷり遊んだ子どもは、心も体もすくすく育っていきます。
温もりあふれる布おもちゃで心も体もすくすく育つ「布育®」が、広がりますように!


1歳になる前、位からでしょうか・・・

手に持ったもの、なんでも、落としてしまう赤ちゃんに、困ったり、イライラしたり、していませんか?

ちょっと前までは、うまく持てなくて、事故として、落としてしまっていたはず。

それが、どうも、わざと、何度も落としているらしい!と、気づいた時の、
「はぁーーー!!!???」という気持ち。


食事中、スプーンを落とす。
「あら?」と、気づいて、拾って、拭いて、渡す。

また、すぐ、落とす。
「ちゃんと、持ってね。」と渡す。

また、落とす。・・・
「ほら、ちゃんと持って!」

落とす。
「落としちゃ、ダメでしょ!!」

落とす。
「もう!!!ダメって言ってるでしょーーー!!!!!」


大人からすると、本当に、腹立たしい展開なのですが、これ、完全に「赤ちゃんの遊び」なんです。


産まれたばかりの赤ちゃんは、手をグーにしています。
ギュッと握りしめていることは、本能なのでしょうね。(サルだった頃の名残?)

それが、成長するにつれて、自分の意志で、手を広げられるようになってくるのです。

手を開いてみると、握っていたものが、すっと落ちる。
これ、かなりの発見だと思うんです。

手のコントロールが上手になると、自由に、
持ったり、
離したり、
右手から左手へ持ち替えたり、
できるようになっていきます。

握っていたものを離して、落ちていく。

落ちていく様子を眺めるのは、なかなかのファンタスティック
落ちた時の音も、エキサイティング
落ちた後に転がったりするのは、アメージング
さらに、「コラー!」とか「ダメ―!」とか、大きな声が聴こえてくるのも、スリリング

もう、これは、立派な、楽しい楽しい遊びです。

赤ちゃんが、何でも落としてみるようになったら、ひとまず、
「手のひらが、自由に使えるようになったんだ!」
と、その成長を喜んでください。

その上で、やっぱり、落としてはいけないものもあるので、なんとか、早い所、その遊びは止めてもらわなければなりません。


子どもの成長の特徴として、
「やっとできるようになったことは、何度もやる」
ということが、あります。

つかまり立ちが、できるようになったばかりの子は、「疲れないの~?」と心配になるほど、どこにでも、つかまって立っていようとします。

歩けるようになったばかりの子は、「急ぐから、ベビーカーに乗って!」と思っても、何とか自分で歩いていこうとします。

「ワンワン」と言えるようになったばかりの子は、何を見ても「ワンワン」と言うし、
○が描けるようになったばかりの子は、○ばっかり描くし、
CMソングを歌えるようになったばかりの子は、そのワンフレーズばっかり歌い続けるのです。

そして、
散々繰り返し、
とても上手になって、
当たり前にできるようになると、
急速に興味を失って、次のステップに進んでいくのです。


つかまり立ちに飽きたら、手を離して一人で立とうとする。
歩くのに飽きたら、ジャンプしてみようとする。

○を描くのに飽きたら、目と口を描き入れて、人の顔が描けるようになり、
「ワンワン」だけじゃなく、「ニャーニャ」がいることを知り、
CMソングだけじゃなく、ちゃんと一曲歌えるようになっていく。


この成長の特徴を利用して、「落とす」という困った遊びを攻略するには、飽きるほど、落とさせてあげればいいのです。

食事中のスプーンは困るので、落としても大丈夫な、おもちゃを用意してあげましょう。

ミルク缶やペットボトルを利用して、中に落として遊べる簡単な手作りおもちゃも良いでしょう。
写真は、「鬼バスケットボール」です。

オニバスケット


もちろん、布製ボールなんかもおすすめです。

ライオンボール



それから、最後に。
例えば、食事中にスプーンを繰り返し落としてしまう時の、対応の仕方を。

まずは、大きな声を出したり、過剰反応をしない、ということです。
イチイチ大げさな対応をすると、子どもは、そこを含めて、楽しくなってしまいます。

「これは、遊んでるな」と気付いたら、
「もうやめようね。」と静かに言って、スプーンを返すのをやめます。

食事よりも、落とす遊びをするということは、もう食事に飽きているのだから、食事を切り上げてしまえばいいのです。

スプーンを落とす・落とさない。という遊びを、いったん忘れさせて、
食事を続けたいのかどうか、という本来の場面に、興味を戻してあげるようにしましょう。

そうこうしているうちに、「落とす」のには飽きて、
「上手にスプーンですくう」という、次のステップに進んでいくことでしょう。

その日まで、「はいはい、その時期ね!」とゆったり構えて見守ってあげてください。

しつけは大切ですが、小さな子どもが、食事中に遊んでしまうのは、
食事に飽きているとか、
他の遊びに夢中とか、
しつけ以前の要因が大きいのです。

焦らず、のほほんといきましょう!


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