娘のリクエストで焼肉を食べに行くことになった
元夫「この間、会社の人に連れて行ってもらった焼肉屋さんなんだけど、すごく美味しかった!そこに行こうかなぁって。」
娘「美味しいものならなんでもオッケー👌」
となり、帰り道の途中にある焼肉屋に行く事になった。
その焼肉屋さんは、和牛しか扱っていないお店で、A5ランクのお肉も置いていた。
元夫「適当に頼むけど良い?食べたい物があったら追加して!」
と言い、色々な肉を頼んでいた。なかなかのお値段だったが、躊躇せず頼んでいて、婚姻中には無かった光景を見ていた。
お肉はとても美味しく、娘も大満足していた
ひとしきり食事が終わり、デザートタイムに入った頃、元夫が話し始めた。
元夫「ひさしぶりに楽しかった。誰かと一緒に食事をする事がこんなに楽しいと思った事はない。ママに苦労をかけて、結果離婚に至ってしまったのは全てパパが悪いんだ。娘はどう思っているのか分からないけど、ママの事を頼むよ。」
娘「言われなくてもそうします。パパは今1人になって寂しいかもしれないけど、今までのママを見てきたから、ゴメン、可哀想とは思えない。仕方がないよ。ママだって、パパの事大嫌いで離婚したわけじゃないでしょう?理由があって別れたんだろうし、でなきゃ、こんな風にご飯食べたりしないじゃん。パパはママにちゃんと感謝して、今までの事反省して、パパだってママに出来る限り尽くさなきゃないと私は思うけど。女1人で暮らすって大変だと思うよ。」
思いがけず娘の大人な返事に少し唖然とした。
元夫「そうだな、娘の言う通り。パパはママに出来る限り尽くすよ。」
私「ちょっと2人で盛り上がらないで。ママは1人で大丈夫。離婚はお互いに色々あってそうなったのだから、どちらかが一方的に悪いって事は無いんだから。今1人の時間があって、私はとても充実してるよ!娘が近くにいたらもっと楽しいだろうけど。戻ってくるまでは元気でいないとね笑」
元夫「いや、俺が悪い。裏切ったのは俺だ。私が悪いことなんて1つもないよ、本当にゴメン。」
私「もうこの話は終わり。せっかく美味しいお肉食べたのに。勿体無いから。さぁデザート食べたら帰って休みましょう。」
元夫が余計な事を口走らないように話を切り上げた。娘が元夫の不倫の事を知ったら、本当に嫌いになってしまう様な気がしたから。
帰りの車の中、静かな時間が流れた。誰かが口を開くでもなし、私は車窓の景色を眺めていた。