この映画見てから結構経ってしまったわ・・・。なかなか書けないでいました。
レビューが西部戦線から続いてのソル・ギョングさんで小さくソル・ギョング祭り(又の名を大杉連祭り)
か、私。
「オアシス」 2002年 監督 イ・チャンドン
ひき逃げ死亡事故で2年半服役し刑務所から出たばかりの青年ジョンドゥは、家族の元へ戻るが迷惑がられてしまう。ある日、被害者家族のアパートを訪れた彼は、寂しげな部屋にひとり取り残された被害者の娘コンジュと出会う。重度の脳性麻痺を持つ彼女は、部屋の中で空想の世界に生きていた。互いに惹かれ合い、純粋な愛を育んでいくジョンドゥとコンジュだったが……。
ジョンドゥ ソル・ギョング
まずこの風貌で29歳設定って事に驚くっ
出所したばかりのジョンドゥ見た時、えっ?ソル・ギョングだよねぇ??と思っちゃったし。
しょっちゅう鼻すすって貧乏ゆすりして自由過ぎる振舞い。
人の話を最後まで聞かず遮っちゃったり大人って感じじゃない行動したり軽い障害があるのかも
しれないと思って見ていたわ~
コンジュ ムン・ソリ
ムン・ソリさんって初めて見たのが「太王四神記」だったかな。
よく分からないドラマで何にも覚えてないんだけど・・・ 熊族とかあった様な・・・そこ??
最近ではキム・テリちゃんのお母さん役「リトルフォレスト」で見たわ~私の中で手塚理美さんな彼女
今回重度の脳性麻痺の役って事で・・・体力的にもすごく大変だったのでは??
そしてもうその演技に驚くっ!!!
出所したジャンドゥは冬だって言うのに入った時の半そでシャツのまま・・・
なけなしのお金で自分の上着を買わずにお母さんに洋服を買って帰ろうとする優しい一面がっ
家に帰ると・・・家族は引っ越してたのよっ
何も告げずに引っ越してるし・・・だいたい洋服も着の身着のままって事は絶対面会なんか来てくれて
ない感じが漂う・・・。
食堂に入って無銭飲食しちゃって捕まり、弟が警察に来て無事引っ越した先の家に帰れるんだけど
家には母の他に兄夫婦も暮らしてて(兄役はアン・ネサン)全くもって歓迎されてない感がもう
痛いくらい
兄嫁あからさまに迷惑がってるし もう何かいたたまれない感じだわ。
ジョンドゥは死亡事故起こしてしまった被害者の家に挨拶に行くんだけど丁度引っ越しの作業中だったり
して亡くなった被害者の息子夫婦に追い返されちゃうのよ~
そこにその妹で重度の脳性麻痺のコンジュが居たの。
兄夫婦と同居してたコンジュだったんだけどまさかのっ!!妹を1人残して兄夫婦は引っ越して行く
後々分かって行くんだけど妹の名義で障害者住宅に入居して妹は置き去りにしてたのよ~っ
しかも監査が入る時だけ妹を迎えに行きさも一緒に暮らしている様に振舞ってる
でアパートの隣人にいくらか払って妹の世話を頼んでたの・・・
何だかなぁ~な家族がこちらにも。 しかもその隣人も何だかなぁ~だった
実はジョンドゥの起こした死亡事故って本当は兄が起こした事故で・・・
当時仕事もしていなかったし元々前科もあるしって事で弟が自ら身代わりになって服役してたの
それが分かってから更に出所して来た時の家族の対応を思い出してえええ~っ!!となったわ。
誰にもお疲れ様と声もかけてもらえず、しかも黙って引っ越してたしね
社会からはみ出しちゃった感だけでなくこれは家族からも・・・と心配になるわ
ジョンドゥはコンジュの事が気になってその後も訪ねて行くのよね。
そして二人は頻繁に会う様に。(ちょっと最初の出会いは最悪な感じだったんだけどね・・・)
ずっとアパートの一室に籠りっきりのコンジュを連れ出してあげるジョンドゥ。
車椅子に乗せて出かけて時にはおんぶも。
電車に乗ったり時にはドライブにも連れて行ってあげる。
途中お昼ごはんを食べるのに2人で食堂に入るとまさかのお店の人からの入店拒否~
もう終わったとか言われちゃって
店内の人みんな食べてる最中だったのにその様子をうかがってる感じ。
そして二人が諦めて出て行くとあからさまにお客たち安堵の表情・・・。
結構この頃の韓国ってそういう偏見あったのかしら??と思って見てたわ
まずこの映画ムン・ソリの演技に驚く!!
この迫真の演技は本当に凄すぎたわ。見ている最中帰って来た長女がチラっと見て
「えっ?これ女優さんが演じてるんだよね?」って言ったくらい。
この映画でムン・ソリはベネチア国際映画祭新人賞を取ったそう 納得だわ~。
撮影後かなり腰などに負担がかかっていてマッサージを続けてやっと回復したとか・・・。
痩せたり太ったり自由自在の韓国俳優さん達にいつも驚かされるけど今回のこの役に関しては
もう凄いとしか言いようがないわっ!!!
ムン・ソリの演技に圧倒されちゃうけどソル・ギョングの社会不適合者な役も見事に演じてて本当に
凄かったわ。
周りからは全く理解されないんだけど惹かれ合ってる2人。
お互い家族から何かと厄介者の様に扱われていて、だからこそ自分が必要とされる事の喜びが感じられてたんじゃないかなぁ。
終盤まさかの展開でもどかしくなったけどジョンドゥのコンジュへの優しさが滲み出ている行動を見て
胸がいっぱいになったわ。
悲観的なラストを想像しちゃっていたけどラストのコンジュの顔は輝いていて嬉しかったな
心に思う人が居るって、自分が必要とされてるってだけでこんなにも表情が変わるのねと思った
素敵な終わり方でしたっ
色々考えさせられる映画でした。