「お母さん、着替えて。デイケアの人が迎えに来るよ」

そう言って着替えをうながしたら

「今日は行きません。毎日毎日、何するわけでもない、ただ座ってるだけ、行きたくない」と。


いや、家にいても寝てるだけでしょう…。


と思ったか、そうこうしているうちに

お迎えの人が来てしまい。


杖をつきながら玄関まで出て

「今日は行きません」と断っていた。


今日は父も家にいる。

2人分の、いや私も入れて

3人分の昼食を用意しなくてはいけない。


今までは

朝と昼は私はいっさい感知せず、だった。

けれど父の透析が始まり、

塩分とリン、タンパク質などをコントロールした

食事を用意しなくてはいけず、

そうなるとやはり何もしないわけにもいかず。


毎週火曜日は

私の健康維持も兼ねて

テニススクールに行ってるので、

その帰り道で昼食と夕食の材料を買って帰る。


いつもなら、帰宅したらすぐシャワーを浴びるんだけど、今日はそんな時間なし。

帰宅後は急いで昼食の準備をして、

3人で食べて、片付けして。


それから洗濯機を回して、

猫にご飯食べさせて…

なんてやってると、あっという間に

3時近く。


4時半には、母を歯医者に連れて行かなくては

いけない。


でも、午前中にテニスしたから

ちょっと昼寝したい、疲れた…

と思って2階へ上がり、ウトウトしてたら

しばらくして

「起きてー、そろそろ歯医者連れてってー」と

声がした。


うるさいなぁ、いつもはこちらが起こさないと

昼寝から起きてこないのに、

なんで今日は起きてるんだよ、

と思いながら時計を見たらまだ4時にもなってない。

なんなんだよ…なんで今日は起きてるんだよ…

と思いながらうつらうつらしていたら

「ドスン!」

と音がした。


半分寝ぼけた頭で

「これは…、こけたかな?」と思いながら

しばらく様子を伺っていたが

その後全く音がしない。


仕方なく起きて階下へ降りていくと

洗面所の床に尻もちをついていた。


ああ…、洗面所で椅子から立ち上がろうとして

尻もちついたんだな…。


そこから起こすのがまた大変。


左足が思うように動かないから

私が両手を持っても、支えきれない。

だからとにかく手すりのあるところまで

はって出てきて、

手を前についてよつんばいになって、

といってもそれがなかなかできない。


ああ…だからデイケアに行って欲しいのよ、

家に居られると

私の気が休まらないのよ。


そうして

歯医者へ連れて行き、

帰宅してひと息ついたらもう夕食の支度。


私ゃ家政婦か。