あれだけ多趣味で家では女王様で
言い出したら誰の助言も聞かないような母が
まさか認知症になるとは思わなかったよね。

でも「要支援1」になって
介護施設の人が家に出入りするようになったり
玄関に手すりがついた辺りから
少し様子が変わってきた。

あれほど「歩け」「動け」「体操に行け」
と言っても
「歩いたよ、庭を」とか
「動いてるよ、家事してる」と
適当なウソを並べてたのに
それを言わなくなった。

昨日も
コロナ禍でいけなくなって休会していた
体操に、父が問答無用で申し込み
半年ぶりに参加したんだけど
「めんどくさい」とか「お父さんだけ行けばいい」と言わなくなった。
理由はわかっている。
歩けなくなってきているからだ。
特に最新の一歩がでないのと、
膝が悪くなってる左足が思うように上がらない。

「歩けなくなったら、ウンコもオシッコも
垂れ流しになって、寝たきりになるよ」
キツいけれど、ハッキリ言った。
そしてこうも言った。
「申し訳ないけれど、2人ともボケたら
施設に入ってもらいますから」
だって、絶対二人を家で介護するのは
無理だもん。

今までは
長くは歩けなくても
家の中や近所を散歩するくらいは
できていた。
だから憎まれ口もたたいていた。

だけど今はもう、
誰かが手を繋ぐかカートなどがないと
歩けなくなっている。

多分「このままでは寝たきりになる」
と自覚したんじゃないだろうか。
そして、家が大好きな人だから
施設に入るのは嫌なんだろう。

ん?
でも認知症だよね?
物忘れがひどくなって、
新しいことは覚えられないけど
「歩けない」「このままではまずい」
という自覚はある、という事かな?

だから本当に認知症って
よくわからない病気だ。

母の場合は
とにかくどんどん歩けなくなっている。
でも日常生活はおくれているし、
相変わらずの生活が続いている。


でも認知症はゆっくりと進んでいると思う。