「父が吐血して緊急入院した」
 病院へ着いたのは夕方5時。
そこで先生から詳細を聞く。

とりあえず、胃の潰瘍の処置をし、止血はできている。
ただ、もう一つ潰瘍があるので、またいつそこから出血するかわからない。
それと、胃の下の方に黒い血液の塊があって、
簡単に言うとカサブタができているような状態。
これも今後まだどうなるかわからないので
また明日詳しい検査をすると。

しかしもっと問題なのは母で。
「ご夫婦2人暮らしですよね。今度どうされますか?」
「娘さんはいつまで、こちらにいられますか?」
と病院スタッフに聞かれる。

要するに、金曜日は緊急入院で
付き添いという事で母も病院に泊まったけど、
今日は自宅に連れて帰って欲しいと。
でも「お母さん、ひとりにできないですよね?」と。
「はい。ひとりは無理です。でも私、実はビッシリ予定が詰まっていて、すぐにでも東京へ帰りたいんです」

一応、言ってみた、ダメ元で。
そしたら、地域包括センターへ連絡して
支援やショートステイを利用しる方法もあると
教えてくれた。
ただ、今の時点でもう金曜日の夕方。
地域包括センターは月曜日にならないと連絡とれないという。
それと、今コロナ禍で、私が東京から帰って来てるので、おそらくすぐに支援を受けるのは難しいだろうと。
もうひとつ教えてくれたのは民間のダスキン。
こちらは365日24時間対応で、さまざまなサービスがある。

だけど急に父が倒れて、心細い母を残して東京へ戻れるはずもなく。

それに、私も疲れ果てた。
トンボ帰りで東京に戻るエネルギーも体力も
なかった。
全ての予定をキャンセルした。

そして月曜日の朝9時に
教えてもらった地域包括センターに電話した。

つづく