2つ前に書いた
タロット「女教皇」から「女帝」への手紙。
その返信となります。
本日も、私の妄想にお付き合いくださる方は
このままお進みください。
親愛なる女教皇へ
あなたが直接この手紙を渡してくれたこと、
その静かな歩みで私の庭を訪れてくれたことを
とても嬉しく思います。
私はしばらくの間、
あなたの言葉が
頭から離れませんでした。
知恵と愛、
どちらが世界をより良くするのか、
あなたはそう問いかけましたね。
私は、その答えを探すために、
自分の庭を歩きながら
考えてみました。
果実をもぎ取る子どもたちの笑顔、
母が子を抱きしめる姿、
陽の光を浴びて大地に根を張る草花。
どれもが、ただそこにあるだけで
尊く、美しい。
私はこの世界の命を慈しみ、
はぐくみ、分かち合うことで、
人生が満たされることを知っています。
しかし、あなたの問いを受け取ったとき、
私はふと気づいたのです。
私の与える愛は、
果たして本当に世界を良くしているのだろうか?
愛は甘美で、包み込むもの。
けれど時に、それは周りを見えなくし、
理性を忘れ、
混乱を生むこともあるでしょう。
私の庭が豊かに実るのは、
ただ恵みを与えるからではなく、
種が根を張り、陽を求め、
雨を受け入れながら自ら育つから。
知恵なくしては、
愛はただの甘やかしになり、
愛のない知恵は冷たい計算になってしまう。
だから私は、
あなたの問いにこう答えましょう。
知恵と愛は、決して分かたれるものではなく、
互いに支え合うもの。
あなたの知恵が、私の愛をより深くし、
私の愛が、あなたの知恵に温もりを与える。
私たちは別の道を歩みながらも、
同じ世界を支えているのですね。
私がこの手紙を
あなたに直接届けることは叶わないけれど、
あなたが静かに答えを待っていてくれることを思い、
そっとこの庭の風に託します。
私の言葉が、あなたのもとへ届くことを願って。
敬愛を込めて
女帝より
ここまでお読みいただき、
ありがとうございました。
