2023年8月と2024年8月の2回、いずれも4泊5日でモンゴルを訪れた。

1度目はモンゴルのオルレ*フェスティバル参加のため団体旅行で、2度目は、1度目の訪問で物足りなかったところを確かめたく、友人と個人旅行で訪れた。

 

*オルレとはもともと韓国・済州島の言葉で「往来から自宅までをつなぐ小道」を意味するが、現在は済州島全域に20ほど設定されたトレッキングコースのタイトルとなっている。地方活性化に効果を上げており、九州や仙台にも導入され、現在20ほどのオルレコースがある。これがモンゴルでも取り入れられ、首都ウランバートル郊外のテレルジ国立公園内に3コースがある。

 

モンゴルといえばどんな風景を思い浮かべるだろうか。私自身もそうだったし、一緒に行った友人も、周辺の家族・知人・友人もみな一様に「砂漠」「草原」「遊牧民」をまず思い浮かべると言った。

 

勿論それは間違いではないし、モンゴルの魅力はまさにそこにある。

でも、モンゴルを訪れる人がほぼ必ず最初に出会うチンギスハーン空港、そして首都ウランバートルへ向かう道程、市内中心部を眺めていると、日本や韓国の大都市とさして変わりない近代的な都市の風景が広がる。「意外ときれい」「思ったより近代的」「大都会そのもの」というのが正直な感想だった。


交通渋滞が深刻だという話を聞いていたが、ピーク時ではなかったせいか、日本や韓国の都会の渋滞とさほど変わらないかなと思った。もちろん、中心部はまさしく車がひしめいていて、横入りやクラクションは常態化している感じだった。
 
市内に入る手前で目に付くのが、モクモクと煙をたなびかせている施設。これは都市の集中ボイラーだとのこと。9月下旬には冬になり、寒さが厳しいモンゴルの都市には、暖房と温水の供給は欠かせないのだろう。
 
モンゴルに来たなあと思うのは、やっぱりキリル文字で書かれたモンゴル語の看板を見るときだ。一部にローマ字と似た発音の文字はあるものの、Pは[r]と読み、Rの左右逆転は[ya]と読み、Hは[n]と読み、Nの左右逆転は[i]と読むなど紛らわしく、とてもじゃないが覚えきれない。しかもたまに英語の看板もあるため、よけいに混乱する。
そこで、あらかじめ用意したキリル文字とその読み方の対応表(↓)をカンニングしながら、発音にチャレンジする。
 
意味が分からなくても、何となくそれらしく読めると嬉しいし、外来語などは読んでみたら意味が分かちゃう場合もある。 エネルギーンウンダー?
 
モミ2マーケット?
 
私は韓国語を長くやっているのでハングルは空気のように読めてしまうが、韓国語を新たに学ぶ人にとってハングルは、私にとってのキリル文字のようなものなのかな、などと思うと感慨深い。
 
意味が知りたい時はgoogleアプリの写真翻訳(↓)を利用する。
このアプリは日本語や韓国語など、たいていの言語に読み上げ機能があるのだが、残念ながらモンゴル語の読み上げ機能がない。googleさんには、近いうちにモンゴル語の音声も設定してもらいたいものだ。
 
さて、モンゴルを訪れる人がたいてい驚くのは、ウランバートル市内の至る所に韓国系コンビニのCU, SG25や、韓国系コーヒーショップのCafe BeneやTOM N TOMSが目に付くことだろう。スーパーのEマート、百貨店のギャラリアも韓国系、もちろん韓国レストランも多数。車はトヨタやニッサンなど日本車が圧倒的に多いし、パナソニックやコニカなど日本製品の看板も見かけるが、市の中心部には「ソウル通り」という2kmぐらいの通りもあって、モンゴルでの韓国の存在感をひしひしと感じる。
ソウル通り
 
韓国では2000年代前半から外国人労働者を受け入れてきたが、フィリピン、タイ、ベトナム等と並んでモンゴルからも労働者を多く受け入れてきた。留学も含め、韓国滞在経験者が多いし、韓国からの旅行客も多い。少し探せば韓国語の分かる人がすぐ見つかる。私たちも何度か韓国語に助けられた。
 
ちなみに日本からモンゴルに行く直行便は成田から1日1便、関空から週数便だが、韓国からは仁川から毎日数便、釜山からも毎日1便、そのほか大邱、済州などの地方空港からの便もあるという。(6~8月のハイシーズンに限ると思うが)モンゴルは日本より韓国に距離的、心理的に圧倒的に近いのだ。福岡から行くには仁川経由が一番安くて早くて便利なのは言うまでもない。
 
 

<モンゴル訪問記Ⅱに続く>